以前のチュータ日誌でご紹介した、物理担当のY先生による物理の教科通信「グレートトラバース物理」ですが、記事を読まれた方々からY先生のもとにいくつもの問い合わせがあったようです。
Y先生は、「いろんな人に知ってもらえて光栄です」と謙遜していらっしゃいましたが、素晴らしい記事ばかりですので、また紹介させていただこうと思います。
この機会に、「グレートトラバース」という名称の由来をご紹介しましょう。これは物理で学ぶ何かの用語かな、と思ってらっしゃる人も多いのではないでしょうか。
ところが、「グレトラ物理」の第一号には、次のように書かれていました。
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「これから,君たちの大学合格に向けて,物理通信を発行していく。その名もグレートラバース物理(略してグレトラ物理)。くだらないと言うことなかれ。この通信に添付された問題演習によって物理が得意になれば,志望大学合格の可能性が高まり,おまけに年収もアップする。一石二鳥じゃないか。それに,この通信には物理をはじめ科学に関する様々なトピックを取り上げるとともに,入試に必要な知識をトシロ―流に盛り込んでいこうと思っている」
「タイトルの由来は,NHKドキュメンタリーの番組名だ。この番組では,とあるアドベンチャーレーサーが日本百名山をすべて登覇するという挑戦に密着していたのだが,スタート地点の九州の屋久島から,ゴールである北海道の利尻島までの7800kmもの距離を,一切の交通機関を使わず,自分の脚とカヤックだけで踏破したのだ。その姿を見て,これだ!と思いついた。できるかどうかわからない果てしなく遠いゴールに向けて,ひたすらに歩くその姿が,大学合格というゴールに向けて勉強していく君たちの姿と重なったのだ!!」
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なるほど、NHKの番組名だったのですね。
日本百名山に選ばれている100の山をすべて登りきる、その累積標高差は10万mにも及ぶと、番組で紹介されていました。さらに、その踏破の方法が、山から山へ移動する際もすべて自力、とは恐れ入ります。まさに前人未到の旅ですね。ちなみに、「トラバース」とは、山岳用語で「斜面を横断する」という意味だそうです。
さて、今回の記事でも、以前ご紹介した放射線治療医をしている本校OBからのメッセージをご紹介します。
Y先生の授業で、高Ⅲ生からOBの方への質問を募ったところ、質問がいくつも出たようで、その中のいくつかが「グレトラ物理」に掲載されていました。
それでは、以下、みてみましょう。
高給と人生の充実のために医者になる、いいじゃないですか。
決して消極的とは思いません。医者になりたい理由なんて人それぞれです。
ただ、引っかかる点があるのですが、高給だから充実した人生になるかは、別の話だと思いますよ。
私は、自分の仕事に責任と誇りが持てることが、充実した人生だといえる条件だと思います。
給与だけを考えるなら、商社、証券会社、マスコミなど、医者より高収入を期待できる職業は色々ありますよね。
これらの職業でなく医者を選ぶ理由の一つには、やはり、「先生」と呼ばれる一応の名誉職であるってことがあるかもしれませんね。
医学部に入っての6年、まだその先の研修でも、経験や成長とともに、考え方って変わってくると思う。もちろん変わらなくったっていい。最初に何を目的にして医者になったかなんて関係ないんです。
でも、人の命を扱うことの責任を知り、そこに誇りを持てる医者になってください。
私は医者になってよかったと思っていますよ。
(上記の写真は、OBの方とは関係ございません)
まずこう思いました。私たちのころは男子校でしたが、今は共学ですよね。同じクラスに女子がいる、これは大きなモチベーションになるでしょ!?
SNSも発達してきていて、外の世界との繋がりもたくさんあるじゃないですか!
確かに、世間の中高生に比べればいろんな制限があると思います。でも思い返したら、寮生同士で過ごした長い時間は、やはりかけがえのないものだったんだなあと思います。
どうせ大学生になれば、みんな条件は一緒。やりたいことがやれます。それよりも、今しかできない経験を楽しめばいいと思いますよ。
ずっと先の目標に向けてモチベーションを保ち続けるのは難しいことだと思いますよ。
私はそんなことできません。少なくとも高3になるまでは目の前の定期考査をこなすことしか考えてなかったと思います。
で、その定期考査の試験勉強ですが、そんなにガリガリしてはいませんでした。むしろそういう状況の中で、漫画を全巻一気に読みたくなって、そのまま読んでしまって、十分な勉強時間がなかったり…。
大事なことを言います。日々の宿題をしっかりこなしていれば定期考査前にそんなにあわてて勉強しなきゃいけないことなんてないと思います。日々の宿題をやるくらいならば、大層なモチベーションは、いらないのではないでしょうか。(宿題、多いですけどね…)
高3になると、さすがに受験のこと考えますよね。周りも徐々に受験に向かって空気が変わっていきます。
そんな中で私のモチベーションは、東京の大学に行って、いろいろ遊びたい、ってゆうチャラいものでした。
そのせいか、模試の結果がいい時も悪い時も、まあこんなもんか、と楽観的に過ごしていましたよ。
立派なモチベーションを持つのもいいですが、時には気を抜いてリラックスすることが大事だと思います。
まだ受験本番までは時間があります。力を入れるとこは入れ、抜くときはしっかり抜いて、途中で嫌になってしまわないようにしたいものですね。