過去のチュータのひとりごと

(2016/12/18)チュータのひとりごと 第513回(世界的教養人を育てる 愛光中学・高等学校の取り組み(4))

10 寮教育

 本校の大きな特徴の一つは寮を学内に有していることです。学校説明会では本校の魅力の一つとして紹介しています。

 全校生徒の約3分の1にあたる寮生が中学寮,高校寮,高3寮の3つの建物で過ごしています。

 何よりも通学時間が短い。中学生の場合であれば3分で学校に到着します。それも寮生活の良いところには違いないのですが,寮生活の最大の魅力は何と言っても「同じ釜の飯を食う」ことによって一生付き合う友ができることです。

 通学生では味わえない貴重な体験をすることができる。これが寮生活の最大の魅力であります。

 寮生活の目的は2点あります。

  ア 規律ある集団生活を通して,基本的な生活習慣や学習習慣を身につけること

  イ 共同生活の中で友情を育み,自立心と協調精神を養うこと

 寮生指導の原点は,「わが子に対する強い願い」を込めて見守っておられる父母と同じ気持ちを持って指導することであります。

 舎監,寮母はもちろんのこと,担任団も,寮生の面談は出来るだけ寮で行うなど,力を合わせて寮生の指導にあたります。

 中学から寮生活を送ると,18歳で高校を卒業するわけですから,6年間,実に高校卒業までの人生の3分の1が寮生活の体験期間となります。この若い時代に6年間の集団生活で得た協調の精神は,社会へ出たときのたくましい力となるだけでなく,他人を思いやるという行為が,寮生活で自然に身についてくるのです。

 大学入試や就職試験において,面接官は先ず最初に,この人物がチームの一員として,皆と協力して,研究や仕事ができるかどうかということを見るとのことですから,寮生活を送ったことが大きなメリットとして活きてくることと思います。

 寮生の保護者が最も気にかける健康管理については,9床を備えている寮医務室を設け,看護師が午前8時から午後7時まで常駐して生徒の健康管理システムを整えています。

 

 指導の一環として,中1寮生,中3寮生,高2寮生全員と寮で校長面談を行います。

 面談内容は志望大学と将来の夢,寮に入ってよかったと思うこと,よくなかったと思うこと,学校の授業などにおける要望事項,これまでの人生で最も印象的な思い出等を尋ねています。

 この校長面談で生徒が語った言葉を紹介しましょう。

ア 寮に入ってよかったと思うこと

 「一生付き合える友人ができた」,「将来の夢を語り合える友達がいる」,「寮と友人に成長させてもらった」,「親の苦労と有り難みが分かった」,「小学校のときは自己中心的であったが,友人との協調性や思いやりの心ができた」,「中1,中2の大部屋で競争心を持って勉強できた」,「食べ物と人間の好き嫌いがなくなった」などの数々の素晴らしい点について述べています。

 

イ 寮に入ったためによくなかったと思うこと,あるいは改善してほしいこと

 「一見して何の料理だか分かるものにしてほしい」,「テレビを見ることができないなど情報が入ってこないので時代についていけない」,「風呂と食事の時間が短い」,「誰かが遊び始めたら流されてしまう」など,マイナスイメージのこともありますが,これも,実は,時が経過すると,素晴らしい思い出になる可能性を秘めています。

 

11 学校のホームページと寮日誌

 本校のホームページは2000年の9月に「チュータ日誌」として立ち上げました。四国で初の学校ホームページであったと聞いています。

 「チュータ」は,わたくしのニックネームで,毎日更新することを心掛けました。元旦にも更新したことが記憶にあります。当時,寮日誌もわたくしが担当しました。

 技術的な面は現在の「情報」の教員にお願いして,学校と寮の出来事を様々な方面から紹介したことが懐かしい思い出です。

 現在は複数の教員が担当し,ほぼ毎日,学校の出来事を紹介しています。また,寮日誌は舎監の協力を得て更新しています。

  今後も、より深く、より高く「change」(変革)と「challenge」(挑戦)を重ねながら、「世界的教養人」,「愛と光の使徒」の育成に,総力をあげて取り組んでまいります。

 

 

 今回の「チュータのひとりごと」で平成28年の最終回とします。

 新年は1月22日(日)に開始する予定です。

 皆様,ご家族お揃いで,よいクリスマス,そして,よいお正月をお迎えください。

 

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