愛光学園

60周年特別企画ページはこちら

WWW を検索 愛光学園サイト内を検索

チュータ日誌

チュータのひとりごと 第381回(年頭挨拶(平成25年1月15日))

|

2013年の新春を迎えました。新しい年が,平和で希望あるものとなることを祈るとともに,新しい年に向かって元気でチャレンジしてほしいと願っています。

さて,今年の暦の干支(えと)は癸巳(みずのと・み)で,動物は蛇があてられます。

干支(えと)の癸(みずのと)の部分は10年で一巡するので,十干(じっかん)と呼ばれています。()の部分は12年で一巡するので,十二支と呼ばれていることは皆さんも知っていることと思います。したがって,干支(えと)10年と12年の組み合わせですから,60年で一巡することになるのです。

奇しくも愛光学園では,この60年の一巡が終わり,本年は創立61年目の年にあたります。次の60年の学校事業において,新たな変革と挑戦に向かってスタートをする年としたいものです。

―― 癸(みずのと)()の説明省略 ――

さて,今回の年頭の挨拶では,昨年iPS細胞を作り出し,ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授のことについて触れてみましょう。山中教授のインタビューをまとめた「山中伸弥先生に,人生とiPS細胞について聞いてみた」というタイトルの本の中で,山中教授は次のように語っています。

――グラッドストーンで教えてもらったある言葉が忘れられません。

それが,「VW」。教えてくれたのは当時の研究所の所長ロバート・メーリー先生です。あるときメーリー先生は,研究所に在籍するポスドク(postdoctoral fellow博士(はくし)研究員)20人程度を集め,「VWが大切だ」と話されました。彼は長年フォルクスワーゲン(Volkswagen)に乗っていましたが,フォルクスワーゲンの略称はVW。といっても,ぼくらは彼の愛車の話を聞かされたわけではありません。

「研究者として成功する秘訣はVWだ。VWさえ実行すれば,君たちは必ず成功する。研究者にとってだけでなく,人生にとっても大切なのはVWだ。VWは魔法の言葉だ。」

VWVは,VisionVです。ビジョンとは長期的目標といいかえてもいいかもしれません。VWWは Work hard のW。つまりハードワーク,一生懸命働くということです。研究者として成功するにはビジョンとハードワークが必要で,どちらが欠けてもダメだというのです。

日本人はハードワークが得意です。夜遅くまで働く人,土日も働く人が日本には大勢います。しかし,いつのまにか目的を見失い,なんのために働いているのかわからない状態に陥ってしまう。ぼく自身にもそういう自覚があったので,メーリー先生のVWの教えが心に響きました。――

と書かれていました。

生徒の皆さんも,また,わたしたち教職員もこのVW,ビジョンとハードワークについてよく考えてみる必要があると思うのです。

何のために,懸命に学習をしているのか,それは目の前に迫ってくる大学入試のためだけではないはずです。大学入試の後の長期的なビジョンがあるかないかで,受験勉強の質が変わってくるのではないでしょうか。そして,皆さんの様々な長期的なビジョンの行きつく先が,「世界的教養人」であり,「愛と光の使徒」であることをわたしは願ってやみません。

わたしは皆さんに,No vision, the people perish! (ビジョンがなければ民滅ぶ!)という箴言集の中の言葉をこれまでたびたび紹介してきました。わたしはこの言葉を帝京第五高等学校の記念式典では,No dream, the people perish! (夢なければ民滅ぶ!)と伝え,そして,愛媛県私立中学高等学校連合会が主催した第1回私学振興大会の冒頭の挨拶では,No education, the people perish! (教育なければ民滅ぶ!)と伝えて,場所によって言葉を様々に置き換えてきました。

しかし,山中教授の文章に触れたとき,やはり,皆さんに伝えるべきは,No vision, the people perish!という箴言集の元のことばが適切だと思うに至り,新年の言葉としてここでまた改めて紹介したわけです。

最後に,55期高Ⅲ生に申し上げます。いよいよ,センター試験が目前に迫ってきました。特別授業等によって,毎日,懸命に努力していることと確信しております。一昨日の日曜日も夕方の540分まで授業が行われていました。

自分を励まし,自分を信じ,最後の最後まで,緊張感を途切れさすことなく,学習を続けてください。必ず良い結果に繋がります。心から健闘を祈ってやみません。学年の先生方とティームワークを組んで,何が何でも,大学入試という扉をこじ開けて,合格という栄冠を勝ち取ってほしいと述べて新年の挨拶といたします。

 


2013年1月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

アーカイブ

カテゴリ

All Rights Reserved Copyright AIKOU educational institution