年末に一通の封書が自宅に届いた。厚みはそれほどでもないのだが,縦の長さも横の幅もかなりあり,差出人を見ると,本校のご父母の一人である。
何だろうかと不思議に思いながら,開封したところ,中味は写真と手紙であった。
写真は,昨年9月15日に開催された本校の体育大会で,高3生がグラウンドにできた水溜りの中にダイビングしている光景を引き伸ばしたものであった。
これは,もしかしたら,雨の中で体育大会を続行したことに対するお叱りかなと思いながら手紙を拝読させていただいた。
今回の「ひとりごと」では,この手紙の一部を紹介させていただくことにする。
今年も残すところあと数日となり,校長先生におかれましても,さぞや御多忙の日々をお過ごしのことと存じ上げます。
本年も誠にお世話になりました。
有能な先生方のおかげさまをもちまして,息子たちも学業や各行事ともに充実した学園生活を過ごし,記憶に残る楽しい思い出を今年も築くことができました。
心より御礼申しあげます。
何よりも,特筆すべきは体育祭でございます。
一般に体育大会は雨天順延とされております。
ドシャ降りの中を,泥しぶきをあげて,素足で懸命に駆けていく高3生たち,
走り抜けた喜びを,やり遂げた感動を
泥の湖にダイビングをして
汗と涙と雨と泥でぐしょぐしょになりながら分かち合う
最高学年たち
彼らの喜色満面の姿は何と爽やかで美しかったことでしょう!
どんなに深い感動をわたくしたちに与えてくれたことでしょう!
泥に塗れて輝いていた彼らを忘れることはできません。