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チュータ日誌

チュータのひとりごと 第262回(聖ドミニコ学園訪問(3))

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2週間前の「チュータのひとりごと第261回」の続きです。

                  ◆

高校入試を迎えた年は別であったが,放課後は,山に登って燃料の「松かさ」とウサギのえさの野草を集めて仲間と野山を駆け巡ったものである。

世の中が物に不自由する時代であったため,勉強どころではなく,家族の手伝いを優先するのが,ごく当たり前の時代であった。

友人の中には,能力があるにもかかわらず,家族のために高校に行くことをあきらめ,集団就職をして,県外に出かけた友人もいた。

わたしの場合は,母親が3人の子どもたちに,「角帽」をかぶらせるのだと懸命に働いてくれたおかげで,大学に行くことができた。もちろん,わたしは高校時代から長期休暇中に車の運転のアルバイトをしていた。16歳で自動車免許を取得したので,そのようなことができたのである。そのお金で,参考書や机などを購入したことを覚えている。「松山丸三」という会社が三番町にあるが,ここの初代社長がわたしのことをとても気に入って,長期休暇中,いつ会社に行っても,わたしのために車(マツダのミゼット)を1台用意して,その日からアルバイトをさせてくださった。配達先は今でも記憶にある。陰日なたなく働いているということで,社長から,ボーナスまでいただいたことに,今でも感謝の気持ちを持っている。

少し,横道にそれてしまったが,学ぶ機会に恵まれない人間が多かった時代を日本は経験しているのである。

現在では,物が豊富になり,一部の人にしか手に入らなかった牛乳やバナナは,簡単に入手できる。風呂も一戸建ての家であれば,浴室があり,その上,自動で風呂を沸かしてくれる。中には,「お風呂が沸きました。」と女性の声でアナウンスしてくれるものさえある。燃料を求めて野山を走り回る必要もない。さらに,アルバイトなどは学習の妨げになるということで禁じられている。

時代は大きく変わり,豊かな恵まれた日本になった。

それでは,現在の本校の生徒の場合はどうであろうか。食事の内容と質は,家庭か寮かで多少の違いはあるが,栄養の点では全く問題がないし,経済的な点においても恵まれた家庭が多い。その気さえあれば,学習や部活などの諸活動に心置きなく取り組むことができる。まさしく,学ぶ機会に恵まれた者の集まりである。武田理事長の言葉どおり,学ぶ機会に恵まれた者は,世界に対する責任を自覚しなければならないのである。この言葉は,「われらの信条」の中の言葉を用いると,「愛と光の使徒たらんこと!」ということだとわたしは考えている。

世界に対して責任を自覚する「愛と光の使徒」こそ,われわれ人間が究極の目標として掲げるべきものではないか。

「聖ドミニコ学園」訪問を快く引き受けてくださった理事長,小学校,中学・高等学校の各校長にお礼を申し上げて,今回の「チュータのひとりごと」を終えたい。

 

同窓生の皆様へ

この聖ドミニコ学園訪問の原稿を次回の「同窓会だより」に掲載させていただく予定です。今回の「チュータのひとりごと」と重複することになりますが,ご了承ください

 


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