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チュータ日誌

チュータのひとりごと 第264回(2学期始業式講話(2))

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(先週の続きです)

 

今の話は寮生にのみ関係する話ですが,愛光生の皆さんがいかに恵まれているかということを,わたしの子どもの頃の話を通してお伝えしたいと思います。

 

わたしが生まれたのは,昭和22年です。

 省略 [聖ドミニコ学園訪問(2)(3)で紹介した,小,中,高時代の話と同じ内容]

 

小学校低学年の頃の学習机はみかん箱でした。食堂兼居間という狭い場所にみかん箱を置いて学習をしました。

自宅生の皆さん,そして中学3年生以上の寮生の皆さんは,勉強のために個室があって,部屋には立派な学習机があり,その気さえあれば,心置きなく学習に専念することができる環境にあります。早朝から新聞配達をする必要もありません。燃料を求めて野山を駆け巡る必要もありません。アルバイトなどは学習の妨げになるということで禁じられています。食べるものも,自宅と寮で多少の差はあっても,栄養の点では十分です。

空いた時間には,学習効率を上げるように,また教養を身につけるという意味から部活動をし,より充実した学生生活を送ることができています。

まず,このような恵まれた環境に置いてくださったことを,両親に,ひいては世の中に感謝をすることから始めなければならないと思うのです。

ただ,個室に関して言えば,最近,少し考え方が変わってきているように思えます。それは,寮でも食堂学習が良いと思う生徒が出てきたことからも分かることです。人間,人の輪の中にいることで何かに集中できる。家庭の中でも,居間に机を持ってきて,家族の誰かがいる中で学習をする。そのほうが効率が上がるという考え方が出てきました。わたしは,それが人間本来の姿に近いのではないかと思います。

話は少し飛躍するかもしれませんが,言うまでもなく,人は一人で生きていくことはできません。周りに喜びや悲しみを分かち合う仲間がいるからこそ,生きていけるのです。人は類としてこの世の中に生存してきたのではないのでしょうか。つまり人間は,他人を思いやり,他人のために生きることが求められているという根拠が,「人類」という言葉にあるような気がするのです。

世界60億人のうち10億人が満足に食事ができないのです。60年前は日本人もそうでした。勤勉と誠実,分かりやすく言えば,早起きをし,正直に働くということを通して現在の日本があるのです。

日本は世界の中で恵まれた国になりました。学ぶ機会に恵まれた者の国になったのです。

だからこそ,学ぶ機会に恵まれた者は,感謝の気持ちを持ち,世界に対する責任を自覚しなければなりません。つまり,学ぶ機会に恵まれた愛光生の皆さんは,愛と光の使徒として日本と世界に対して尽くす責務があるのです。このことを自覚した上で,学問,道徳,芸術,宗教,身体,生活の理想とする,真,善,美,聖,健,富を究めつつ,自分の夢の実現に向けて頑張ってほしいと思います。

 

最後に,高3生は夏休みを終えて,いよいよ,受験に向けてまっしぐらに進むことになります。学年主任の中塚先生を中心に,生徒と生徒のティームワーク,生徒と先生のティームワーク,さらには先生方のティームワークを組んでいただき,受験は団体競技,一直線に合格という二文字に向かってまい進してくださることをお願いして,2学期始業式の言葉といたします。


2013年1月

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