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チュータ日誌

チュータのひとりごと 第275回(3学期始業式講話(放送))

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先日,進学主任の佐藤晃先生から,予備校で頑張っている浪人生を激励する言葉を,色紙に書いてほしいと依頼を受けました。

これまでにも,何回か依頼を受けて,終業式でも触れた「続いてこそ道」とか「人の喜ぶ姿を先に見る。」というような言葉を書いたのですが,今回は「自分の置かれた立場で最善を尽くすことが明日への扉を()ける。」という言葉を浪人生に贈りました。

この地球上に自分が存在することは,まさに奇跡的なことだとわたしは常々感じています。皆さんも,日本の小さな島,四国にある愛光学園に在籍し,個性あふれる,素晴らしいクラス担任のもとで共に結ばれているという絆を不思議に思うことはありませんか。

皆さんが親を選ぶことができないように,学校のクラス担任も皆さんが選ぶことはできません。どちらかというと宿命に近いものがあります。ところが,自分が社会でどのように進歩していくかは,皆さん一人ひとりの心構えで異なってきます。つまり,運命は自分の心の持ち方でいくらでも変えることができるということです。

占い師に「あと何年しかこの世に生存できませんよ。」と言われ,それならばということで,自分が持っている財産をすべて使い果たしてしまった人がいました。ところが,占い師が指定した年度を過ぎても元気であったため,その後,大変,苦労をしたという話を聞いたことがあります。全財産を投げ出したから,その人は助かったのだということもできるのですが,運命はあらかじめ決まっているものではない,運命は自らが切り開くものであるというのがわたしの考えです。運命は自らが切り開くことのできるものであるからこそ,人生は面白いのです。自分の心の持ち方で,運命はいかようにも変えることができる,やっただけのことが,きちんと結果としてついてくるからやりがいがあるのです。人参の種を蒔けば人参の苗が生えてきます。大根の種を蒔けば大根が生えてくるのです。大根の種を蒔いて,人参が生えてくるようなことがあれば,ややこしいことになりますが,そのような出来事はこの世の中では決して起きようがないのです。

大根や人参は目に見える具体的な形で結果が現れるため,分かりやすいのですが,努力という目に見えない種まきは,やはり,目に見えない形でしか収穫ができないのです。しかし,努力の収穫は,実感として自らが感じ取ることができるものであるということは,皆さんの経験から想像できるはずです。

わたしは,高3,高2寮生の面談を現在も続けていますが,彼らから成績を上げるために何をしなければならないかという質問を受けることがあります。わたしは,今の自分とは違う姿の自分を発見できるような学習をし,しかも,それを3か月続けることができれば,必ず結果が出ると答えています。

わたしは校長に就任させていただいた最初の始業式で,旧訳聖書の箴言(しんげん)集の一文,No vision, the people perish. という言葉を紹介しました。日本語では,「幻なければ民滅ぶ。」と訳されています。もちろん,ビジョンや夢を持つことはとても大切なことでありますが,今を懸命に生きるという努力があって,その後に,夢や幻が目の前に現れてくるというのも事実です。

今を懸命に生きることのできない人間に,ビジョンや夢が湧き上がってくることはないというと,言い過ぎでしょうか。

「自分の置かれた立場で最善を尽くすことが明日への扉を()ける。」という言葉を浪人生に贈ったのには,このような思いがあったからです。

在校生の皆さんは,愛光という教育の場に置かれているのです。この愛光生という自分の置かれた立場で最善を尽くすということはどのようなことかということを,真剣に考えていただき,明日への扉を開く道をしっかりと歩むことを願っています。

 

 最後に52期高3生の皆さんにお願いをしておきます。

皆さんの入試合格は,愛光に繋がる者すべての喜びです。これからさらに厳しい状況が続くと思うのですが,その先に皆さんの合格を,祈り,喜ぶご家族や先生方,先輩,後輩がいることを忘れず,同胞の力を糧として頑張っていただきたいと心から願って3学期始業の挨拶といたします。

 

平成21年の「チュータのひとりごと」は今回が最終です。

皆さん,ご家族おそろいで,良い年を迎えられますように。


2013年1月

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