愛光学園

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チュータ日誌

チュータのひとりごと 第322回(中学入学式式辞)

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平成23年4月8日

式辞の前に

「東北地方太平洋沖地震」による「東日本大震災」におきまして,想像を絶する甚大な被害が報告されています。被災地の皆様に,心からのお見舞いを申し上げますと共に,一日も早い復興をお祈りいたします。また,震災でお亡くなりになられた方々に,謹んで哀悼の意を表します。そして,今なお,安否の確認できない方々に,世界の多くの人々の祈りや誠の心が届くように,心からのお祈りをいたします。

 

 入学式式辞(1)

愛光学園第59期生の皆さん,本日の入学おめでとう。

―― 挨拶文省略 ――

 今,皆さんは希望とやる気に満ちて,姿全体がキラキラと輝いて見えます。その輝きをいつまでも失わないために,何をしなければならないかということを少しお話ししてみましょう。

 わたしたちは,普段,自分たち個々の命がいつか終わりを迎えるのだということをあまり,意識することはないと思います。しかし,皆さんは,地球上に存在するすべての人間に寿命があるのだということを理解しているでしょう。わたしは遠い未来に,思想と科学が発展して,人間が永遠に生きながらえる時代がくるかもしれないということを否定はしませんが,現段階では,人間の寿命は長くても115歳から120歳くらいだと言われています。

 わたしたちは,かりに115年生きることができるとして,皆さんは今,12歳ですから引き算をすると,これから103年,この世に存在することになります。

 では,残された103年の間に,皆さんは,どのような人物を目指したらよいのでしょうか。

 実は,それを教えてくれるのが,先ほど朗読された「われらの信条」なのです。

愛光学園は,カトリック精神に則り,カトリック聖ドミニコ修道会の教育方針に従って学校教育を行い,「世界的教養人」を育成するために設立された学校です。入試説明会や学校説明会で,「世界的教養人」という言葉を何度か耳にしたことと思いますが,「世界的教養人」とはいったいどのような人間のことを言うのでしょうか。

われらの信条を作成した初代校長,田中忠夫先生は,「世界的教養人」のことを,「社会が愛光学園に期待している第1のことは,一流の国立大学にも入学し得る深い知性と,世界のどこに出しても恥ずかしくないような高い徳性を養うことであると考え,これをわれわれは世界的教養人という言葉で要約した。」と述べています。さらに,勤勉であること,魂の高貴なこと,そして,魂が高貴であるためには,心構えとして常に最高を目指すこと,利己心・流行心よりの超越を志すことが必要である。」という言葉を書き加えています。

また,ミッションスクールとしての性格として先生は,ロシアの哲学者,ニコライ・ベルジヤエフの「文化の進歩か退歩かは,キリストに近づいたか,キリストより離れたかの問題であり,歴史の審判とはキリストよりの距離の測定にほかならない。」という言葉を,われらの信念であると記しています。

実に味わい深い言葉であり,愛光に関わるすべての者が,この言葉を大切にしなければならないと考えています。

 この世界的教養人の「一流の国立大学にも入学し得る深い知性」という言葉は,全員が東京大学を始めとする難関国公立大学の要求する深い知性を身につけようという目標であります。合格とは格が合うということです。生徒の皆さんとわたしたち教師が,お互いに力を合わせて,それぞれの難関国公立大学に格を合わせる努力を重ねていこうではありませんか。

次に,世界のどこに出しても恥ずかしくないような高い徳性を身につけることが,世界的教養人の欠くことのできない素養とあります。

 この素養は,しっかりとした,道徳教育,宗教教育を行わないと身につくものではありません。今の日本の教育に最も欠けているものの一つと言われている,「相手の立場に立って物事を考える。」という考え方も,そのような教育を受けないと身につく素養ではないのです。

 この高い徳性を磨くために,本校では,CLE(クリスチャン・ライフ・エデュケーション),つまりキリスト教生命教育の時間を組んでいます。直接大学入試に結びつく授業ではありませんが,精神性を尊ぶという点で,本校で最も重要な授業の一つだと言えるでしょう。

ただ,この徳性は,学校で学ぶだけでは十分とは言えません。家庭や社会で学ぶ重要な事柄なのです。この点において,ご家族のご協力をお願いしておきます。


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