愛光学園

60周年特別企画ページはこちら

WWW を検索 愛光学園サイト内を検索

チュータ日誌

ホアン理事長の始業式でのお話

|

4月9日(土)の始業式にて、ホアン理事長から全校生徒に向けてお話がありました。その全文を掲載します。

 

始業式式辞

 

愛光の皆さん、今日から新年度が始まります。皆さんは、どのような気持ちでスタートするのでしょうか?私は、非常に悲しんでいます。東北のニュースを知っていますか?亡くなった人、行方不明の人、3万人程居るようです。そして、最も大切な家族、家、仕事、全てのものを失った人が何十万を超えています。また、原発の問題で、影響を受けて、困っている人もかなり多いようです。

新聞を読まないと、又、テレビやインターネットを見ないと、なにが起こっているのか分かりません。しかし、テレビを見ても、ニュースを聞いても、何か、違う国で起こった出来事のようです。全く、自分と関係ないことのようです。

私が、一番つらいことは、子供や若い人たちのことを、考えた時です。朝早く、幼稚園、小学校、中学校に行って、帰ったら、お母さんが居ない、お父さんが居ない、おじいちゃんおばあちゃんも居ない、家もない... その子供、その若者たちはこれから、どうなるのでしょうか...?あなた達と同じ、日本の若者でしょう?

どうして、私達は、ここに無事で、どうして彼らはこんな事に...本当に、私達と関係ないのでしょうか?何か、私は、助けてあげたい気持ちでいっぱいです。

話によると、今、出来ることは、お金を送ることだけらしいですが、お金を送っているだけでは、不十分で、悲しく思っています。

聞くところによると、老人ホームと病院で務めていた人が、津波が来ると言われた瞬間に、その場から逃げてしまって、数分後、置きざりにされた老人や、患者達が、津波に飲まれて亡くなってしまったそうです。どうして、こんなことをしたのでしょうか、多分、自分の命が惜しくて、我先に逃げたのでしょう?

愛光生の皆さん、このような人になってほしくはありません。「相手の問題、相手の悩みは、自分のものではない」と、思ってほしくはありません。

しかし、話によると、生き残った人の助けになりたいと思っている、東北の若者達、それぞれの学校の先生達、医者、一般の人々も、津波の後、通りに出て、それぞれの避難所で、困っている人々の手助けをしているそうです。素晴らしいことだと思います。「このような人もいるんだ!」と知ると、この私はとても感動します。

東北の大災害について、恐ろしいビデオ、写真などが、たくさんあります。けれども、この私に、一番、印象を与えたのは、津波に流された園児バスが、土石流から投げ出された時の写真です。園児バスは泥まみれで横たわり、車窓は割れて、中に居た先生達は園児を必死で守ろうと、このように、腕をしたままの姿で亡くなっていました。すごく、感動を受けました。やはり、生徒を守る為に、最期まで、命をかける先生もいるんだ!と。

愛光の生徒と愛光の教員の皆さん、このような精神をもつ人になってほしいのです!私も、同じ様に、人の為に助けになりたいのです。

これから、愛光で、募金活動をする計画があるようですが、私達が出来ることは、お金を送ると共に、心の中で、災害を受けた人達の悩みを感じることです。そして彼らの為に祈ることです。その上に、今、愛光生の皆さんが出来ることは、きちんと勉強することです。そのとおりだと思います。真面目にしっかりと勉強すると、今、得ている知識によって、近い未来に、社会に出て、人々の為に色々な便利なものを作ったり、奇麗な環境を作ったり、悩んでいる人を癒したり、困っている人の力になったり、若者に最先端の教育を与えたり、安全でクリーンなエネルギーを発明したり、結局、人々がよりよい生活を、送れるようにすることが出来るでしょう。これは、皆さん、今、頑張る為の理由には、ならないのでしょうか?

話を聞けば、色々な愛光生が、残念ながら、勉強をする目的が見つかっていないようです。頑張る目的も、分からないで、迷っているそうです。愛光生の皆さん、勉強する目的は、自分が人間として成長して行きながら、人の役に立ち、人を助ける為です。そして、助け合うことによって、明るく温かく、人間らしい社会をつくる為です。

どうか、皆さんは、どれほど恵まれているのか。又、自分が自分の力で人々の為に、どれだけ貢献出来るか分かったら、絶対、皆さんは、今、一生懸命に、勉強すると思います。

東北の大震災が起こった瞬間、台湾の高雄にある愛光の姉妹校、道明中学・高等学校の生徒と教員が、心配しながら、チャン校長先生に「校長先生!愛光は大丈夫?愛光の皆さんは無事ですか?」と尋ねて来たそうです。そして、早速、募金活動を始めました。そして、生徒と教員が集めたお金を私に送ってくれました。2万5百2十9USD。今はドルがやすいのですが、それでも、日本円で約、173万円程です。道明中学から連絡が入り:「愛光は大丈夫よ!みな無事です!」と伝えたら、道明の皆さんは、安心しました。けれども、「仙台にある、うちの聖ドミニコ学院の100人位の生徒が、被災を受けて、30人程は家が流されたので、非常に困っているそうだし、授業料を払えなくなっている」、ということを伝えたら、道明のチャン校長先生が、「では、そしたら、仙台の聖ドミニコ学院の困っている生徒達に募金を送ってください」と言われて、早速、送りました。話によると、仙台の聖ドミニコ学院の卒業生は、自分が被災して困っているにも関わらず、色々な避難所のリーダーとして、ボランティア活動をしているそうです。

このように、日本を助けるために、世界の色々な国々が援助物資と多額の支援金を送っています。その上に、あらゆる国の多くの人々が、色々なメディアを使って、「日本の皆さん、頑張ってくれ!」と励まし、元気づけてくれています。結局、世界中のみんなが私達に多くのことを期待しています。どうか、その要望に応えて、愛光生の皆さん、頑張る強い気持ちと、この広い連帯感で、新年度をスタートさせましょう!!宜しくお願いします。

 


2013年1月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

アーカイブ

カテゴリ

All Rights Reserved Copyright AIKOU educational institution