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チュータ日誌

チュータのひとりごと 第331回(大人のマナー)

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前回,運転のマナーについて触れたが,大人のマナーについて,ふと思い出したことがあるので,述べてみよう。

 わたしは出張していない限り,休日でも,学校に出向くことにしている。「あなたの趣味は何ですか。」と聞かれたとき,わたしは,よく,「学校に出かけることです。」と答える。そんなことが趣味かと思われるかも知れないが,今の立場で自分に出来ることはこれしかないと思っている。もちろん,ただ学校に出てくるだけではない。講話の原稿や,会議の原稿などを作成するのはもちろんのこと,午前中であれば,寮生との面談にも出かける。

 ある日曜日に,寮生の面談をと思って,教職員駐車場で車を降りると,中学の寮生が道路の清掃を行っていた。コースはいくつかあり,わたしも学校から西衣山駅の清掃コースに参加した。道路わきに落ちているごみや空き缶を集めるのだが,「ごみは徳だと思って明るく,楽しい気持ちで拾うといいよ。」と言いながら生徒たちと一緒に西衣山の駅まで行った。

ここで,一番多いごみは何だったか想像してみていただきたい。

 一番多いごみは,タバコの吸殻である。生徒たちが通学の途中でタバコの吸殻を捨てるわけがない。すべて大人たちが吸ったタバコの吸殻である。

 この大人たちも,日本の義務教育の中で,道徳教育を受けたはずである。「道路にごみや空き缶を捨ててはいけない,他人の迷惑になる行為はやめよう。」と教えられてきた。それにもかかわらず,現状は基本的な徳性の教育がいきわたっていないとしか言いようがない。

 この恥ずかしい現状を少しでも改善する義務が教育にはある。本校では,低学年(中学1年生)CLEの時間に,「相手の立場に立って物事を考える。」ということについて,具体的な例を用いて説明する。そして,他人に迷惑をかけないというような消極的な考え方ではなく,他人がどのようにしたら喜んでくれるかを考えることができるようになって初めて,「世界的教養人」に近づくのだということを強調する。

 愛光という名の由来は徳性と知性である。愛は徳性を,光は知性を象徴していることは言うまでもない。

 われわれは,深い知性と高い徳性の両方を備えた人間を世に送り出さなければならない。全世界の学校が,そして家庭がこのことを充分に意識して子どもを育てるならば,いずれ,「人間は他人のために存在する。」というアインシュタインの言葉どおりの世界が,この世において実現するであろうことは容易に想像できる。


2013年1月

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