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チュータ日誌

チュータのひとりごと 第347回(平成23年度第2学期終業式講話)

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期末考査が終わり,皆さんもほっと一息つき,心はもう故郷に向かっているのではないでしょうか。特に,高3生は高校生活最後の定期テスト,悔いの残らない期末考査であったことと思います。

最初に,今年も,インフルエンザの季節になったため,予防対策をしっかりとしてもらいたいと思います。

特に手洗い,うがいを励行し,朝の健康観察も忘れないようにお願いをしておきます。また,流行期にはマスクをすることも忘れてはなりません。

マスクの着用が予防に大いに役立つということは,皆さんの先輩52期生が実証してくれたので,中3以上の皆さんの記憶に残っていることと思います。

専門医も,マスクの着用が最も効果があると指摘しています。

それでは,2学期を振り返ってみましょう。

2学期には大きな行事として,文化祭がありました。

 今年の文化祭のテーマは,奏でるの「奏」で,文化祭実行委員長が,「奏には,方向を定めて進める,成し遂げる,差し上げる,このような意味があります。この文字の持っている意味をわたしたち愛光生に当てはめると,全国各地から集まった個性的な愛光生が,そろって,まとまって志を同じくして前進していく。そのような意味がこの一文字に込められているのです。」と,パンフレットの中で述べていました。

皆さんの個性が輝いているだけでなく,まとまった集団としても輝いていたと思います。文化祭実行委員が中心となり,全校生徒の協力のもとに,各パートの独自性を保ちつつ,文化祭全体として奏でる,爽やかなハーモニーを訪れる人たちに示すことができたことを,共に喜びたいと思います。特にフィナーレで皆さんの感動している姿を見て,胸が熱くなりました。

2学期には,そのほかにも,中・高のクラスマッチ,先日の学園関係物故者追悼式,そして,中1は遠足と合唱コンクール,中2も遠足,中3は長崎への研修旅行がありました。中3の長崎研修旅行には引率として参加しましたが,中3生の服装,態度,集合等において実にすばらしいと感じました。生徒の皆さんには,歴史や平和の尊さを学び,世界的教養人としての資質を深めてくれたことと思います。

また,グリーンランドでは中3生の皆さんのパワーに圧倒されました。わたくしも,生徒の皆さんに誘われるまま,恐竜コースターや,ミルキーウエイ,またニオウとかという絶叫マシンに挑戦させてもらい,大変感謝しています。

さて,今回は,1学期の始業式でも触れたのですが,環境美化について,皆さんにお話をしてみましょう。

その学校の美化に対する意識がきちんとしたものであるかどうかは,トイレを見れば,すぐにわかると言われています。わたくしも他校を訪問した時に,必ずトイレを見ることにしています。

本校では,昨年度,環境美化室を設置し,校内美化に努めています。先生方の取り組みと,皆さんの協力で,学校のあらゆる箇所に変化が見てとれます。特にトイレは見違えるように綺麗になりました。先生方と皆さんの環境美化に対する意識が,少しずつではありますが,明らかに変化している証拠です。トイレ掃除は教養人の資質を磨く,絶好の場だとわたしは考えています。

トイレ掃除には次のような思い出があるので紹介しましょう。現代に生きる皆さんには決して経験できないことです。掃除は真剣に取り組むものであるということを,わたしはこのトイレ掃除から学びました。

―― わたしが通った中学校は,瀬戸内海に浮かぶ小さな島,()()(しま)にある,当時,生徒総数300名余りの学校でした。ちなみに,現在は,過疎化が進み,全国でも珍しい小・中一貫校になっているということです。

中学生活は全般的に楽しいものでしたが,トイレ掃除だけは,逃れたいと思っていました。それは今のように水洗トイレではなく,汲み取り式のトイレであったため,清掃の時間に,大きな柄杓(ひしゃく)で汲み取り,「肥たご」,つまり,肥桶に入れて,小高いところにある野壷まで,移動しなければならなかったからです。途中,険しい踏み分け道の坂があり,ここを二人で運ぶとき,前で「肥たご」をかつぐか,後ろでかつぐかで,大きな違いがありました。ジャンケンで前か後ろかを決めていましたが,後ろになると悲惨でした。急な坂道を登るため,後ろの生徒は竿を精一杯持ち上げなければならないのです。そうしないと,あの田舎の香水が自分の顔にかかってしまうのですから。必死で持ち上げるのですが,なにしろ背丈が低いために,バランスが崩れ,ひどい目にあったことが何度かありました。友人の中には,手を離したために,形容しがたい姿になった者もいました。

この中学校での貴重な体験が,掃除は真剣に取り組むものだということを教えてくれたのです。皆さんと一緒に掃除をするとき,いまだに思わず力が入ってしまのは,この時の貴重な体験のおかげだと感じています。 ――  (20001119日 教務のひとりごと)に掲載

今後も,校内美化に真面目に取り組んでくださることを,先生方と皆さんにお願いをしておきます。

最後に,54期高3生の皆さん,センター試験まであと46日です。入試では奇跡は起こりません。やっただけが返ってくるのだということを,忘れないで,この後の一層の努力を続けてもらいたいと思います。現役生は,これから,まだまだ伸びるのです。試験の前日まで伸びるのです。最後の最後まで強いチャレンジの気持ちを忘れないでください。

高2以下の皆さん,皆さんもいずれ受験の時期を迎えます。今,どうも調子がよくないと思う皆さんは,何度も繰り返し申し上げますが,本気になって,自分の目標を定め,今までの自分と異なる自分を発見できるほどの努力を続けてください。例えば,空いている時間に図書館へ足を運び,学習してみようとか,職員室に質問に行くなどということも,これまでの自分とは異なる自分を見つけるきっかけになるかもしれません。行動を起こさなければ始まらないのです。自らの能力を信じ,努力を続けてください。皆さんは全員,素晴らしい能力を持っているのです。素晴らしいDNAを持っているのです。浪人ではなく現役で合格できるよう苦労をしてください。

小さいことを積み重ねていると,大きく飛躍できる日が必ずやってきます。

そして,この若い時期にこそ勉学に燃えてもらいたいと申し上げて,2学期の終業式の挨拶といたします。


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