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チュータ日誌

チュータのひとりごと 第357回(中学入学式式辞(1) 平成24年4月9日 )

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式辞

愛光学園第60期生の皆さん,本日の入学おめでとう。心よりの喜びと感謝をもって皆さんをお迎えしたいと思います。まず,心よりの喜びは,皆さんが日々,努力を積み重ねた結果,その努力が見事に実り,今日の日を迎えたことに対するものであります。皆さんの努力に対して心からなる敬意を表します。また,心よりの感謝は新入生の皆さんの努力を陰で支え,応援をしてくださった多くの人々,とりわけ,皆さんの入学を本校へと導いてくださったお父様やお母様に,そして,陰になり日向になり励ましてくださったご家族の人たちに対するものであります。

 今,皆さんの瞳を見ると,希望とやる気に満ちて,キラキラと輝いています。その瞳の輝きを愛光生活6年間,さらにはその後の人生で失わないために,何をなさなければならないかということを述べて,皆さんの新しい出発への門出の言葉としたいと思います。

 皆さんは,愛光学園創立60周年の記念すべき年に入学する60期生であります。もちろん,皆さんが60期生になろうと思って,この世に生まれてきたわけではありません。しかし,偶然のように思えるこの入学は,決して偶然だけで起こりうることではないのです。小学4年生の頃から塾へ通った人もいるでしょう。塾へ通う途中,夕食をゆっくりととる時間がないため,車の中でお母さまの手作りの弁当を食べた人もいるのではないでしょうか。また,夜遅くまで勉学に励んでいる時に,夜食をそっとおいてもらった経験のある人もいることでしょう。中には,家庭でお父様やお母様に勉学を鍛えてもらった人もいるかもしれません。このように,本校を目指す本人と,ご家族の涙ぐましい努力があったからこそ,60周年という記念の年の中学1年生になることができたのです。新入生の皆さん,この入学式が終わった後に,ご父母,そしてご家族の皆さんに,「愛光学園に入学させてもらって,ありがとう。」という感謝の気持ちを伝えてください。皆さんの愛光生活のスタートは,感謝の心であってほしいのです。そして,これから後,お世話になるすべての人たちに対する感謝の心を忘れない限り,学園での充実した生活を続けることができると,申し上げておきます。

感謝の心は人と人の絆を結ぶ重要な要素です。生徒とご父母,生徒と生徒,生徒と先生,先生とご父母,ご父母とご父母,先生と先生の間に感謝の心が生まれるような学園になるように,お互いに努力を続けていこうではありませんか。

さて,先ほどから述べているように,60周年の中学1年生となった皆さんは,愛光学園と(えにし),つまり縁を結ぼうと努力を続けたからこそ,こうやってわれわれと皆さんとの出会いがあったのです。

 人生では,様々な出会いがありますが,この出会いが人の運命を大きく左右することになります。この出会いの中の一つ,皆さんとわたしたちが出会って,(えにし)を結ぶこととなった愛光学園とは,どのような学校なのでしょうか。

 60周年という記念すべき年の入学式に,創立の原点に立ち返り,学園を見つめなおしてみましょう。

初代校長田中忠夫先生と,愛光学園創立者の聖ドミニコ修道会シルヴェストレ・サンチョ管区長や,ヴィセンテ・ゴンザレス初代理事長との出会いがなければ,現在の愛光学園は存在しませんでした。学校創設に貢献した神父様と田中忠夫先生はどのような考えを持っていたのかということについて触れてみたいと思います。

初代理事長ヴィセンテ・ゴンザレス神父様は愛光20年誌の中で,

―― 学校設立の根本的精神について,カトリックの精神に則り,ドミニコ会の精神に従って,道徳的な点に力を入れて,新時代の日本にふさわしい全人教育を青年たちに与えるということ。このことを学校の基本方針にしたい。この根本的なことについては,田中先生によくお話しして計画も立て,校長も引き受けてもらう。その他,具体的なことについては,すべて先生にお任せしようということにしたのです。 ――

と述べています。

つまり,学園創設の基本理念は,「カトリックの精神に則り,ドミニコ会の精神に従って,道徳的な点に力を入れて,新時代の日本にふさわしい全人教育を青年たちに与えること。」だったのであります。この創設の理念を受けて,初代校長田中忠夫先生が「われらの信条」という文章を書いたということは,容易に想像できることです。

全人とは,人間文化の六つの方面,つまり,学問,道徳,芸術,宗教,身体,生活の分野のそれぞれにおいて,円満に,かつ完全に人格を発達させた人間のことを言うのであります。

先ほど朗読した,「われらの信条」の中に述べられている「世界的教養人」,そして「愛と光の使徒」という言葉は,初代理事長ヴィセンテ・ゴンザレス神父様が述べた全人教育と深い関係があることは理解できると思いますが,皆さんにとっては,抽象的な言葉のようですから,少し補足の説明をしておきましょう。


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