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チュータ日誌

チュータのひとりごと 第358回(中学入学式式辞(2))

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世界的教養人とは,どの難関大学にも合格しうるような深い知性と,世界のどこに出しても恥ずかしくないような高い徳性を備えた人間のことであります。また,「愛と光の使徒」における,愛は徳性を,また光は知性を表しています。したがって,愛光学園は徳性・知性学園と呼ぶこともできるのです。これらのことを考え併せると,愛光学園の教育の根本精神は,全人格的な素質や才能を立派に育て上げることを目指しながらも,一段と高い徳性と一段と深い知性を備えた人物を育成することであります。

それでは,深い知性をどのようにして養うのかと言えば,本校では,併設型中高一貫校であることを最大限に活用し,難関大学に各が合う,つまり,難関大学に合格できる実力を6年間かけて養います。その手助けをしてくださるのが,今,皆さんの周りにいる情熱あふれる先生方の集団です。さらには,夢の実現に向けて共に励まし合う友人の存在も,皆さんの知性を養うのに大切な要素となります。

それでは,高い徳性はどのようにして養うのでしょうか。本校では,特に,CLE(クリスチャン・ライフ・エデュケーション),つまり,「キリスト教生命教育」の時間に宗教教育,道徳教育を行い,神父様から宗教的倫理観を学び,「人が人として踏み行うべき道」について,手ほどきを受けます。ただ,この徳性は,学校で学ぶだけでは十分とは言えません。家庭や社会で学ぶ人間としての道徳も重要な事柄なのです。この点におきましては,ご家族の皆様のご協力をお願いいたします。

親と子と教師が教育において,心を合わせる,これを教育の三位一体と言いますが,これは特に,この徳性を養う際に必要不可欠であると申し上げておきます。CLE(クリスチャン・ライフ・エデュケーション)は,直接大学入試に結びつく授業ではありません。しかし,精神性を尊ぶという点では,本校で最も重要な授業の一つと言っても過言ではありません。

皆さんが目指す人間像は,以上の話で何となくイメージできたのではないかと思います。世界のどこの大学に入学しても通用する深い知性と,世界のどの分野に出ていっても恥ずかしくない高い徳性を養うために,皆さんは,この愛光学園に入学したのであります。

東京大学,国公立大学の医学部をはじめとする難関大学に合格するということは,このような人物を目指した結果,手に入る栄冠であってほしいのです。

そして,知的レベルが高いだけではなく,誠実で謙虚であるという,人間の最も大切な素養が身についた人物に育ってもらいたいのです。

皆さんは将来,全員が社会の良きリーダーを目指す人たちです。社会のリーダーは,「世界的教養人」そして「愛と光の使徒」,すなわち,愛と光を伝える人でなければなりません。

JAL,日本航空の再建に取り組んでいる京セラと第2電電(現在のKDDI)の創業者,稲盛和夫氏が,「リーダーに必要なのは,能力よりも人格であり,人間として正しいか,どうかである。損得を考えるよりも,人間としての正しさを重んじることが大切である。」と述べていますが,このような素養をこの6年間で養ってもらうことを強く願っています。

さて,今の輝きを失わないためにもう一つ大切なことがあります。

それは,自分の目標をはやく持つことです。そして,いったん,その目標を決めたら,そこから目標の達成に向けて,勉学を重ねる。そのことによって,あこがれの,そして,おもしろい,自分がやりたい対象を見つけるところまで,神様に導いてもらうことが必要なのです。つまり,学問を続ける中で,「興味がある」「充実感がある」ということが,「継続とは力なり」とか「続いてこそ道」につながるのです。

それでは,目標の達成に向けて努力を続けることが可能となる,皆さんにとっての原動力は何でしょうか。それは,今,皆さんの周りにいるご父母の皆様と,友人の有形,無形の励まし,そして,ここ愛光学園で皆さんを担当する先生方の皆さんに対する熱き思いです。

 2001年にノーベル化学賞を受賞した野依良治氏は,新聞のインタビューで,「ありがたいのは,先生,一緒にやってくれた友達。両親も上手に育ててくれたと思う。母親は勉強のことはいっさい口に出さず,いい友達をつくりなさいと言っていた。」と,素晴らしい先生や友人との出会いによって,自分が磨かれてきたことを語っています。

ここにいる60期生,一人ひとりが持つ目標は異なりますが,各自の目標達成に向けて共に頑張る友人と,それをサポートしてくれる先生方の存在が何よりの励みとなるのです。全国から集まった友人は皆さんの宝であると思って,仲良く友情の輪を広げていってください。皆さんの今後の健闘を心から祈っています。

 ご父母の皆様に一言,ご挨拶を申し上げます。本日の日を迎えるまでに,数多くのご苦労がおありだったと思います。ご子息・ご息女達は,皆様方の期待にみごとに応えてくれました。あらためまして皆様のご苦労に対し,敬意を表しますとともに,お喜びを申しあげます。

特に,寮生のご父母の皆様には,小学校を終えたばかりのご子息を寮に預けるに際しまして,ご心配や迷いがおありになったことでしょう。それにもかかわらず,本校の教育方針に賛同していただき,よくぞ,入学を決定してくださいました。その勇気とご決断に心から敬意を表し,教職員及び寮職員一同,ご父母の皆様のお気持ちを汲み取って一生懸命お世話をさせていただく所存です。

全入学生のご父母の皆様,ご子息・ご息女達は,ご家庭の宝であるだけでなく,日本のいや世界の宝であります。この愛光の丘で,親と子と教師がともに力を出し合い,教育の三位一体が実現できるよう,皆様方のご理解とご協力を心からお願いして,式辞といたします。

平成24年4月9日  愛光中学校 校長 中村 道郎

 


2013年1月

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