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チュータのひとりごと

2006年の最近のブログ記事

チュータのひとりごと(187)

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48期生卒業式とチュータ日誌

 2月1日(水)に愛光高等学校48期生の卒業式が行われた。

 卒業式におけるわたしの主な仕事は,当然のことであるが,日誌用の写真を撮影することである。

 毎年(今年で6回目),舞台に向かって右にある司会席のところで,式の流れを追いながら撮影している。舞台の左にいると,撮影のたびに移動しなければならないため,式の雰囲気をこわすのではないかという思いがあった。

 今年度から卒業式の表彰に「田中忠夫奨励賞」が新設された。この賞は学習の分野で努力が顕著であった生徒たちに与えられる賞で,中学の修了式においても授与されることが決まっている。

 式が進み,父母代表挨拶があった。挨拶は高3父母の代表が,教職員に謝辞を述べるものである。教職員は全員起立して,この挨拶を受ける。

 挨拶の中で,わたしが感激する場面があった。代表の父親が「チュータ日誌」のことに触れてくださったのである。

 日誌が,48期卒業生が中1の時に始まったこと,子どもの写真が出ると家族全員がディスプレイの前に集まったこと,日誌を見ることが日課になったことなど,次々と思い出を語ってくださった。

 わたしは,父母代表の挨拶の中で「チュータ日誌」について触れてくださったことに驚き,しばしの間,写真を撮ることを忘れて直立不動のまま,父親の言葉に聞き入っていた。

 思えば,確かに5年前の9月にチュータ日誌が始まった。「続いてこそ道」という言葉どおりに実践できるかどうか,自信はなかったが,チャレンジしてみようと思ったことを思い出した。

 この父親のスピーチを聞いて,5年半にわたって日誌を続けることができたのは,読んでくだる方の熱い気持ちのおかげであったのだなあと,感謝の気持ちでいっぱいになった。

 不思議なことであるが,5年半の中で,たった一度も「しんどいなあ」と思ってパソコンに向かったことはない。この力は,実は,ご父母や同窓生からいただいていたということが,挨拶の言葉でよく分かった。

 この仕事も,いずれ次の人にタッチしていかなければならない時が来るだろう。素晴らしい感動を得ることのできる仕事であったことが,何よりもうれしいことであり,この感動が長く受け継がれていくことをわたしは願っている。

 お知らせ
 今年度の「チュータのひとりごと」は今回が最終です。

チュータのひとりごと(186)

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ロブバンクと法教育(3)

 当日は,16人の弁護士に加えて,検事,裁判官も参加し,中2の教室で活発に意見交換が行われた。
 授業のテーマと流れは次のようなものであった。

 テーマ
 ある少年の引ったくり事件を題材に,被害者の老婆,町の住人,少年の親の立場に立って,その周囲に与える影響や,少年の立ち直りを期待する言葉を考えさせることによって,法やルールの必要性,それを守ろうとする姿勢を生徒に考えさせる。

 模擬授業
1 自己紹介
2 生徒たちの緊張を解きほぐすためのゲーム(アイスブレイキング)
3 授業の進行予定の説明
4 事件の概要を読み,自分の考えの根拠や,疑問点と質問を考える。
5 授業の目的と判断のための基礎知識の説明
6 グループ討論
7 発表
8 講師の論評
9 弁護士との意見交換
10 弁護士からの感想
11 アンケート用紙配布・記入

 この内容に従って,途中,休憩をはさみながら,1時限目から4時限目まで授業を行った。

 実施後の生徒のアンケートの一部を紹介してみよう。
○ 現役の弁護士さん,判事さんをまじえて本格的な事件について取り扱ったのは初めてで,裁判の難しさというものや議論の重要性が少しわかった気がする。
○ 今まで,弁護士は何をするのかよく分からなかったけど,今日の授業を通して,少し知ることができた。とても大切で難しい役割だなと思った。
○ 法が全てを解決してくれるのではなく,自分自身が意見を持つということが大切だと思った。
○ 弁護士の複雑な感情を体験することで,いろいろな側面から物を見ることができるようになったと思う。
○ 人と意見交換することはむずかしいことで,人と話す時はまず聞くことが大事だということが分かった。

 この法教育の授業は,授業を受けた生徒たちと,学校という教育現場で授業を体験した弁護士の両者にとって,とても有意義な機会であった。ちなみに参加した弁護士のうち,7名が本校の卒業生であった。

 最後に,弁護士会の皆様の熱意と,実施にあたって全面的に協力をしてくれた中2学年部の先生方に感謝したい。     
   おわり

チュータのひとりごと(185)

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ロブバンクと法教育(2)

 昨年の12月に女性の裁判官に講演を依頼した。この講演会は,本校生徒の父親の紹介で実現した企画であった。

 この講演の打ち合わせに松山地方裁判所を訪問し,講師の女性裁判官と演題などについて相談をし,進路決定の最終段階にあった高校1年生を対象に実施することが決まった。

 生徒たちの中には裁判官や検事,そして弁護士を希望している者もおり,パワーポイントを使って行われる講演に,全生徒が熱心に耳を傾けていた。途中,有志の生徒が法衣を身にまとい,会場がなごむ場面もあった。

 高1生は,今年の1月に文理選択が完了した。この講演によって文系,理系の選択が変わったという話は聞かなかったが,文系,理系を問わず,裁判官がより身近な存在になったことは間違いない。

 実は,この計画と並行して法教育の企画が進んでいた。

 本校の卒業生の父親で弁護士をしているA氏から,「愛光で法教育をやってみてはどうか。」という打診があった。

 「法教育」について具体的なお話を伺うため,愛媛弁護士会のメンバーに学校に来ていただき,相談をした。

 最初に,中学の1クラスを選び,土曜日の4時限を使って実施したいという要請を受けた。

 わたしは,中学はどの学年も4クラスあるので,1クラスだけ時間割を変えて,法教育の授業を行うことは不可能であると学校の事情を説明した。するとA弁護士から,1クラスに4人の弁護士が必要となるので,16人に集まってもらえるかどうか,検討させてほしいという申し出があった。

 この時点で,法教育の授業を本校で実施することは難しいと思っていたが,どの学年で実施するか検討を始めた。

 中学部会に諮ったところ,中2の学年主任の八塚光先生から,他の学年で難しいようであれば,中2で引き受けてもよいという返事をもらった。

 そうこうするうちに,A弁護士から16人の弁護士が揃ったので,協力をお願いしたいという連絡があった。

 法教育の授業といっても,具体的にどのような手順で授業が進められるのか,誰も想像がつかなかった。

 数度にわたって打ち合わせを行い,12月17日(土)を迎えた。
     つづく
ロブバンクと法教育(1)

 最近,「キャリア教育」という言葉をよく耳にする。これは世の中の様々な分野で活躍している人たちの職業経験を生徒たちに語ってもらい,生徒たちが自分の将来を考える際の一つの指針になるよう,主に講演会形式で行われるものである。

 本校では,これを「ロブ・バンク」と呼んでいる。

 「ロブ・バンク」を本校で最初に計画した芳野敬三教頭は,「ロブ・バンク」について,
 『志を同じにするものの間で,個々人の獲得した知的財産を伝授したり,共有したりすることはできないだろうか。そんな目論見で考案されたのがロブ・バンクである。これは,同窓生による講演や講義活動(Lecture by O.B.)の申し出を学園内に蓄積し,いつでも取り出して実施できるように位置付けたもの(Bank)である。霞ヶ関に就労する卒業生も常時百人を超える。大学の研究室で世界に発信する研究活動に従事するものはさらにその数を上回る。社会の良きリーダーを育成するという建学理念は,着実に実現されつつある。日本の最先端が何を考え,何を具現化しているのか,その語り部に本校の卒業生が多くいる。現在,少なくとも中学部各学年においては,年間2回の実施を計画している。』
と述べている。

今年は,中1が16期卒業の近藤史人氏と5期卒の松野元氏,中2が20期卒の加藤正隆氏と25期卒の竹内豊氏,中3が松野元氏と31期卒の中村真二氏を招いて,ロブ・バンクを実施した。

 ロブ・バンクは,上記の芳野教頭の言葉から分かるように,本校の卒業生に講演を依頼するために組織されたものであるが,図書館主催の「出前講義」のように,学外から講師を招聘する場合もある。

  つづく
高3壮行会と中1生の合唱(2)

 実は,41期生が中1の時,同じように高3生の前で合唱をしてエールを送ったことがある。この時は,まだ,体育館にピアノがなかったためにリコーダーで最初の音をとり,合唱曲を歌った。当時は男子のみであったため,男声2部合唱であったが素晴らしいハーモニーを体育館に響かせたことを記憶している。

 41期生の合唱が終わって高3の担任から,「高3生が感動していました。ありがとうございました。」という言葉を聞き,中1生にそれを告げると,自分たちが5歳年上の先輩の役に立てたことを素直に喜んでいた。

 現在,合唱コンクールは中1で行うことになっているが,必ずしも2学期に実施しなければならないというわけではない。つまり,合唱コンクールは3学期に行ってもよいということである。

 しかし,3学期にコンクールがあると,この1月の壮行会で歌うことはできない。最近では,合唱コンクールを3学期に行うことが多かったこともあって,壮行会で中1生の合唱を高3生に聞いてもらう機会がなかった。上記の41期生の頃は,合唱コンクールは2学期に実施されていた。今年度から2学期の参観日に合わせて合唱コンクールを開くことが中学部会で決まったので,今後は壮行会で毎年中1生の合唱を高3生にプレゼントすることが可能になった。

 壮行会で混声合唱の歌声を高3生に聞いてもらったのは,本校の歴史の中で今回が初めてのことである。正月に入ってから,中1の音楽の授業が一度もなかったために,音楽担当の小田倫史先生は生徒たちの声が出ないのではないかと心配していた。前日に簡単なリハーサルを行ってはいたものの,コンクールの時のような大きな声は出ていなかった。しかし,高3生を激励する歌として立派な歌であったと感じたのは,わたし一人ではなかったと思う。

 48期高3生のセンター試験での健闘を後輩の生徒たちと共に祈りたい。

    おわり
高3壮行会と中1生の合唱(1)

 センター試験にチャレンジする高3生を激励するために,試験前に生徒会主催の壮行会を体育館で毎年行っている。

 暖房設備のない体育館ではかなり冷え込むため,試験を控えた高3生の体調に悪影響を与えてはいけないということで,できるだけ短時間で終わるように工夫されている。

 生徒会長から激励の言葉があり,高3文系と理系代表の2名がそれに応える形でスピーチをする。その後,高2の各クラスの代表生徒が高3の各クラスの代表生徒に花束を贈呈してエールを送る。

 高3生はこのような催しを開いてくれる後輩のためにも,センター試験で頑張ろうという気持ちになっているのではないだろうか。

 この壮行会が始まって以来,中学生もこの行事に参加してきたが,生徒会のメンバー以外は,どちらかというと傍観者の立場であった。しかし,今年は10数年ぶりに中1生が全員で合唱をして,高3生を激励した。

 中1の学年行事として,11月10日(木)の参観日に合唱コンクールを開催したことについては,すでに「チュータ日誌」で紹介した。この合唱コンクールの課題曲は「翼をください」で,当然,全中1生が歌った曲である。この歌を高3生の壮行会で歌わせてもらおうではないかと,中1担任団と中学部会で話がまとまり,今回の発表が実現した。

 合唱コンクールを参観したご父母が,中1生の歌をどのような気持ちで聞いたかは,想像の域を出ないが,わたしはカメラで写真や動画を撮影しながら,いつものように感動のあまり,涙が出てしまった。音楽担当の小田倫史先生はもちろんのこと,4クラスの担任も共に力を合わせた傑作があの発表であったと私には思えるのである。たとえ,どこかの大会で聞くようなレベルではなかったにしても,クラス全員が真剣に合唱する歌声を素晴らしいと思わなかった人はいなかったはずである。

 このみごとな歌声を聴けば,きっと高3生も喜んでくれるだろうと思い,今回の企画が進んだ。

 つづく

2013年1月

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