3日目はローマ観光の後、マドリッドへ移動です。
まず向かったのは、ジェズ教会。16世紀に建てられたイエズス修道会の総本山です。
イエズス会創設者聖イグナティウスが眠っています。
ガイドの佐藤さんは、マルタ騎士団の旗を今日も目印に持っていらっしゃいます。(赤地に白十字)
この教会には、日本でもおなじみフランシスコ・ザビエルの右腕が祭られています。
ガラスケースの中の右腕の骨、見えるでしょうか。ザビエルの体の一部分は、世界各地に祭られているそうです。
聖遺物をあがめる、カトリック信仰の一端が垣間見えます。
この教会でも、すばらしいフレスコ画を見ることができました。バロック時代の装飾です。
「昨日からすばらしい美術品を見すぎて、なんだか感覚が麻痺してきますね・・・」という人も。
「昨日から天井を見上げすぎて、首が痛い・・・」とぼやいている人もいました。
さて、ジェズ教会の後は、カンピドーリオの丘に向かいます。
途中、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂前を通りました。
これは、ローマ時代のマンション。下をのぞきこむと、2mほど下にローマ時代の地面のレベルが見えました。
目を上げた向こうには、ローマ時代の遺跡の上に造られたマンション(?)も。
今でも人が住んでいて、なんと値段は数十億するのだとか。
市庁舎前まで昇ってきました。
こちらが、ローマ市庁舎。
さあ、目的地フォロ・ロマーノです。朝日が昇って、逆光になってしまうのが残念です。
でも、サトゥルノスの神殿がすぐそこに。
こちらは、ユリウスのバジリカ(会堂)方向。裁判所などがあったところです。
紀元前、100万人もの人々が暮らした古代ローマの中心地に立ち、遠い昔の世界に思いを馳せます。
丘を下り始めて、お腹がすいてきたのでしょうか。昼食の話題に。
ところが、痛恨の事態が判明。お昼はピッツァではなく、「おにぎり弁当」だったのです・・・。
「えーーー!」と悲鳴にも近い声。(企画者として、メニューチェックが甘かったことを猛省しています。)
気を取り直して、ローマで一番訪れてほしかった場所へ。
アヴェンティーノの丘にあるドミニコ修道会本部、サンタ・サビーナ教会です。
この教会は、ローマ皇帝がキリスト教を公認した直後の5世紀に建てられた初期キリスト教会で、今から800年前、13世紀にホノリウス3世が聖ドミニコ修道会を認可した際に聖ドミニコに与えられたものです。
800周年を記念する幕が掲げられています。
初期キリスト教会様式のバシリカ(会堂)様式。広い空間に多くの人が集まれるようになっていました。
シンプルで、静謐な空間です。
聖ドミニコのお墓。モザイク画が印象的。
木の扉は、創建当時のもので、最古と言われるものです。18枚のそれぞれには、聖書の各場面が彫られているとのこと。
ちょっと一休み。
神父様が特別に案内をしてくださることに。ここからは、観光客は入れない修道院の中です。
教会とは対照的に、非常に明るい空間です。聖ドミニコが過ごした部屋も見せていただきました。
回廊に囲まれた中庭には、井戸と、天に向かって延びる糸杉があります。それぞれに意味があるのだそうです。
感慨にふける生徒たち。
この教会で、聖ドミニコやトマス・アクィナスは学問を積み、信仰を深めたのです。
修道会は、800年の歴史をここに刻んでいます。800年後に、日本から中学生・高校生が訪れるとは、当時は誰も予想しなかったでしょう。
教会そばの見晴らしのよいところで、記念撮影を。
そして、ローマ最後の予定、コロッセオへ。観光客で大混雑です。
到着前に、「観光客相手にスリ・置き引きが多発しています。注意してくださいね。特に最近、日本人と見ると『ナカータ、ナカータ』と親しげに寄ってきて、ミサンガを手首に巻いて、法外な値段をふっかける商売をしている人がいますよ」とガイドさん。
下りて数分も経たないうちに、「ナカータ、ナカータ」と声をかけられたのは、K先生でした。
そして、今日も警察官が。バイクではなく馬に乗った警察官で、ポーズをとってくれたりもしていました。
その後、アリタリアで空路マドリッドへ。2時間半余りのフライトです。
着後すぐに、国立考古学ミュージアムへ。男女に分かれて見学します。
アルタミラの洞窟壁画や、アチェの貴婦人像(写真上)で有名な博物館です。
女子グループは、エジプトのミイラに興味津々。閉館ぎりぎりまで粘りました。
そして、スペインの「スペイン広場」へ。(ローマのスペイン広場とこんがらがってしまいそうです。)
食事は、20:30。まだ明るいマドリッドでは夕食の時間としては早いのですが・・・。スペインのチーズなどの前菜、じゃがいも料理(名前を忘れてしまいました)、スペイン風オムレツ、きのこソテー、マロンプディングなど、たっぷりいただきました。お昼が軽めだったため、皆、箸が進んだようです。(フォークが進んだ、と言うべきでしょうか。)
お世話になる2人のガイドさん。スペインでは、ガイド業も細分化されていて、それぞれ資格が必要なのだそうです。お二人とも魅力的な方で、5日目、スペイン人のガイドさんとのお別れの日には、バスの中は、「上を向いて歩こう」の大合唱になりました。