図書館の階段をあがると、健康そのもののサメの歯が出迎えてくれる。
その横に掲示されているのが、班編制の図。これで自分が何班なのかを確認する。
今日のお題は「満州事変」である。史料を読み解き、話し合って、「満州事変とは何だったのか」を考えるのである。
T先生から今日の学習の説明がある。
全部で10の班があるが、班ごとにそれぞれ1つの史料が与えられ、その史料につけられた問について考える。
史料は全部で5種類。それぞれの班はこの作業のあと解体され・・・
史料1から史料5までのエキスパートを1名ずつ配置した新しい班に編制される。ひとりひとりが新しい班の中で史料の説明や解説が要求される。これをジグソー法というらしい。
ちなみに、史料1は松岡洋右が書いた満蒙の権益に対する考え方を示すもの。
史料2は関東軍参謀、石原莞爾の「世界最終戦論」の考え方。次の総力戦を前提にしたときに、満州事変のもつ意味を考える。
史料3は柳条湖事件当時の外務省と、満鉄・領事館の電文のやりとり。満州事変のひきがねとなった柳条湖事件を当時、日本政府がどうとらえたのかを考える。
史料4は世界に対して発信された日本政府の声明。政府の不拡大方針と、陸軍のとった行動の意味を考える。
史料5はリットン報告書。日本側の主張と調査団の提案について考える。
とりあえず、最初の班は与えられた1つの史料と課題を考え、自分なりに答を付箋紙に書く。
付箋紙をもちより、班としての考えをまとめる。この時間の作業はここまで。
次回、再編成された新しい班に対して、史料1から5まですべての史料を前提にした総合的な問がだされ、解答が要求される。それを各班の中で話し合うのだ。班のひとりひとりに、担当する史料についての班のメンバーへの説明が要求される。その後、最後には各個人がレポート提出を行う。
M先生の研究授業があった。
テーマは「世界の砂漠化の要因と解決策」。
4人の班が12個つくられ、3班ずつで1つの大陸を担当して、その大陸でおこっている砂漠化を調べた。
教科書や資料集を使って担当する大陸の砂漠化の要因を調べ、付箋紙に書き込む。
アフリカ大陸チームが、掛け地図に付箋紙をぺたぺたと貼り付けていく。
付箋紙がにぎやかだ。ちなみに、付箋紙の色は3つの班ごとに分けられている。灌漑農業や放牧のやり過ぎも問題らしい。
こちらはオーストラリア。地下水のくみあげすぎ、羊の多さなどアフリカと共通する点もあるようだ。
これはユーラシア大陸。図解で示した付箋紙もある。こちらも灌漑や過度の放牧がだめみたい。
こちらは南北アメリカ大陸。塩害や土壌浸食も原因は灌漑なのかな?
欠席者がいたため、急遽、H先生が偽高校生として参加。ちゃんとチームに貢献できたのだろうか?心配だ。
それぞれの作業は、3分、5分など制限時間つきである。のんびりやっている暇はないのだ。
1つの大陸について、砂漠化の要因の検討が終わった。これから、例のジグソー法だ。班は解体され、新たな班に再編成される。
これからやる作業が示された。4つの大陸地図の前に順番に移動し、その都度、その大陸担当のエキスパートが他のメンバーに説明するのである。
ジグソー法によって、ひとりひとりに責任をもたせることで傍観者の出現を抑止できる。また、説明の場が強制的につくりだされるので、がんばらざるをえないのである。
班のなかで、説明する声、質問する声がとびかっていた。
この後、ひとりひとりが4大陸の砂漠化を踏まえ、砂漠化の要因についての報告書を提出するのだ。