まず,台風19号による洪水や土砂災害で,被災された地域の1日も早い復興を皆さんと共にお祈りしたいと思います。また,お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表し,皆さんで1分間の黙祷をささげたいと思います。
黙祷
それでは,最初に自転車通学生の皆さんに注意をしておきます。
本校は海抜30メートルの場所にあるので,当然,周囲には坂道が存在します。登り道の時はそれほど問題ないのですが,下りの道では,かなりのスピードが出ます。車や人が飛び出してきた時にどのくらいの距離であれば止まれるか,つまり制動距離は,普段の走行から分かっているはずです。
急ブレーキをかけると2輪車ですから,不安定な姿勢になり,大きな事故につながることになります。車とぶつかれば自分が大けがをします。また,人とぶつかれば,相手にけがをさせてしまう,あるいは最悪の事態をも引き起こしてしまいかねません。
ちょっとした不注意で一生取り返しがつかないような事態を引き起こすことになるのだということを十分に認識した上で,走行してください。
次に,徒歩で通学している皆さんに寄せられる苦情は,横に広がって道路を歩くことです。車を運転していて思うのですが,道路の端に寄っていれば,横に二人まではそれほど感じませんが,3人になると危険だと感じます。これは,皆さんも気づいているはずです。できれば,縦に1列が最も望ましいと思います。もちろん運転する側も注意しなければいけませんが,それぞれ,相手の立場にたって考えることが必要だと思います。
さて,これまでたびたび,皆さんに,「感動,喜び,イキイキワクワク」で学校生活が送れるよう努力を重ねていただきたいと申し上げてきました。これは,筑波大学名誉教授の村上和雄氏の「良い遺伝子をオンにして生きる」ことと大いに関係があります。
そこで,利他的な遺伝子について述べた村上氏の文章を紹介したいと思います。
―― 他を利する生き方をしていると,ネガティブ・ストレスから無縁でいられることが多い。人を陥れるとか,憎むとか,恨みに思うといったドロドロした人間ドラマとは無縁でいられるので,健康にもよいし,いつも元気いっぱいでいられると思うのです。
人間というのは不思議なもので,同じ苦労でも自分の欲得でやるときは,こだわりが強いのか。結構疲れます。ところが純粋に人のためと思ってやるときは,なぜかイキイキワクワクできる。そういうことはありませんか。
中略
志とか使命感をもつのは「じゃあ使命感をもとうか」などと思っても,もてるようなものではありません。
この点,「他を利する生き方」というのは,今日からでも実行できるものです。
別に大きなことを考えなくてもいいのです。自分の身の回りの人を見渡して,誰かのために尽くすことを考える。遺伝子オンになりたいなと思っている人は,まず,この辺から入られたらよいかもしれません。―― と述べています。