チュータ日誌

(2021/04/11)チュータのひとりごと 第653回(令和3年度入学式式辞(1))

 令和3年度が始まりました。本年度も「チュータのひとりごと」をよろしくお願いいたします。

            中学・高校入学式式辞(1)

 愛光学園第69期、中学1年生の皆さん、そして、第66期高校Ⅰ年生の皆さん、入学おめでとう。心よりの喜びと感謝をもって皆さんをお迎えしたいと思います。
 まず、皆さんが中1生、そして、高Ⅰ生として入学した愛光学園はどのような学校かということについてお話します。
 本校の創立者である聖ドミニコ修道会管区長、シルヴェストレ・サンチョ神父様は、学校設立の根本的精神について、「愛光学園は聖ドミニコ修道会の精神に基づいた方針に従って、人間の知的及び道徳的教育の高いスタンダードとして、発展していくことができるように」と述べています。
 また、初代理事長ヴィセンテ・ゴンザレス神父様は、「ドミニコ会の精神に従って、道徳的な点に力を入れて、新時代の日本にふさわしい全人教育を青年たちに与えるということ。このことを学校の基本方針にしたい。」と述べています。
 この創設の理念を受けて、初代校長田中忠夫先生が先ほど朗読された「われらの信条」を起草し、本校の1期生から現在まで、同窓生、そして現役生共通の思い出となる「建学の精神」として受け継がれてきているのです。

 さて、今日は、 致知出版社の書物、「何のために生きるのか」の中で、稲盛和夫氏と五木寛之氏が「こころが乾いてしまった日本人」という表題で対談をおこなった内容の一部を紹介します。
 稲盛氏は、「子どものころの苦労とか厳しい災難というのは、人間をつくってくれるのではないかという気がしますね。それに比べて、いまみたいに豊かで、子どもを蝶よ花よと持ち上げて苦労させないというのは、ほんとは幸せじゃないのかもしれない。」と述べています。
 これに続いて五木氏は、「戦後のなにもないなかで、むしろ子どもたちが家族をしょってがんばった時代が僕らにもありました。それを考えると、いろんな意味で、いま子どもたちの目が光っていない。ぼうっとした、倦怠感に満ちた、そういう表情をしている。」と述べています。
 わたしも子どもの頃、浜辺に流れ着いたあかがねや真鍮をさがし、それを島にやってくる業者のおじさんに買ってもらったことがあります。また小中学生の時代に、5年間新聞配達をし、机や参考書を買ったこともありました。子どもが働くということが当たり前の時代であったように思います。その中で、挨拶や大人とのコミュニケーション力が身についたような気がします。

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