4月,年度初めの職員会議で,生徒の面談について,「今年も年間3回をお願いしたい。」と学級担任の先生方に要望した。さらに,寮生の面談はできるだけ寮で行っていただきたいということも付け加えた。
担任を経験した先生方は誰でも,面談が生徒との信頼関係を築くのに大きな役割を果たしていることに気が付く。また,寮でする面談は,生徒の城に入ることになるので,担任とのさらに強い絆が生まれるきっかけとなる。
寮は教師にとって,いくらでも掘り出せる教育の宝が埋まっているところだと気付くと,自然に足が寮に向かうようになると,わたしは経験上思っている。
本当は寮に住み込んで,寮生とともに生活をすれば,普通の教師が3年かかって体験することを1年で体験できるのではないか。それくらい,寮生活は教育と密接なかかわりがある。
昨年度まで,中1寮生と高Ⅱ寮生全員の校長面談を寮で行ってきたが,今年から,中3寮生と高Ⅱ寮生に個人面談を実施することにした。中1寮生を中3寮生に変更したのには理由がある。
高Ⅱ寮生に面談をしたとき,「いくら努力しても成績が上がらない。」と訴える生徒がいる。その最も大きな原因は,中3時代に,勉強をなまけてしまったというものである。中3で個室に移り,集団学習室とはまるで違う雰囲気の中で学習を始めるのだが,眠ってしまったり,他室の生徒が部屋を訪問したりと,学習の雰囲気が大きく崩れてしまうことがある。つまり,学習以外の何かに夢中になった期間が長いほど,高Ⅱになって苦労するということである。
これまでに面談を終えた生徒は,中3になり,個室に移って静かに学習に集中できると述べている。このようにスムーズに集団学習室から個室への切り替えができる生徒は問題ないのだが,中には,切り替えがうまくいかない生徒もいる。この切り替えの重要性を学級担任はもちろんのこと,わたしも面談の中で触れていきたいと思っている。生徒には,いろいろなタイプの教員との触れ合いが大切である。そして,その触れ合いを通して成長していくのである。
中3寮生が充実した学校生活や寮生活を送れるよう,一教師として,サポートしたいと思っている。