先日,ある私立学校の新校舎竣工記念式典に招待を受け,出席した。
先方の校長先生は,わたしが教務主任をしていた同じ時期に教務主任の仕事を担当されていた。それがきっかけで,その後も何かと情報交換をさせてもらっている。
予定の受付時間よりも1時間早く学校に到着したが,すでに校長先生はご出勤になっており,お祝いの挨拶をさせていただき,その後,30~40分校内を見学してまわった。歴史の古い学校であるだけに,古いものを残しながらも新しいアイディアを取り入れ,まさに不易流行を具現化した新校舎建築である。
記念式典は3部構成で,第1部・記念式典,第2部・記念講演,第3部・記念演奏会で成っていた。
式典には私立中学高等学校連合会に所属している学校の校長先生も参加しており,さらには,かなりの数の保護者も出席していた。
第1部は主催者挨拶と来賓祝辞があり,来賓祝辞では,私中高連会長と東京大学総長の祝辞があった。最後に生徒代表による「慶びのことば」があり,式典の第1部が終了した。
第2部では,「明日に生きる日本の若者たち」という演題で,ノーベル賞を受賞された先生のご講演があった。講演の中で,実存主義哲学者のハイデガーの言葉,『人間は「必滅に臨む存在」であっても,「自らの愚かな行為で破滅に至る存在」であってはならない。』という引用が心に残った。
また,福沢諭吉の「時代が必要とする知とは何か。」という言葉に触れ,「教育研究界は社会と契約を結び直す時期」ではないかと指摘するなど,先生の持論がスピーチのいたるところで展開されていた。
第3部は記念演奏会で,卒業生のピアノ独奏と在校生のグリークラブによる合唱が披露された。
結びは校歌斉唱であった。校歌はメロディーが歌いやすく,わたしも卒業生,在校生,ご父母に合わせて大きな声で歌うことができた。
式典後に新校舎見学会があり,校舎を見学したが,野球とサッカーの二つのグラウンドがすべて人工芝になっているのに驚いた。
本校も創立70周年あるいは75周年あたりで,新校舎建築ということになるのではないかと思っているが,それまでにいろいろな学校を訪問し,それぞれの工夫を学ぶことの重要性を改めて認識した。
最後に,本校同窓生の中からそろそろノーベル賞受賞者が出てほしいという切なる願いを述べて,今回の「ひとりごと」を終えたい。