4月8日(水)に実施した入学式の式辞を紹介しましょう。
中学・高校入学式式辞
愛光学園第74期、中学1年生の皆さん、第71期高校Ⅰ年生の皆さん、入学おめでとう。心よりの喜びと感謝をもって皆さんをお迎えしたいと思います。
学園と総合公園の桜も皆さんを待っていてくれました。
今年度は創立74年目の年に当たります。
まず、皆さんが中1生、高Ⅰ生として入学した愛光学園はどのような学校かということについてお話します。
本校設立のきっかけは、1951年(昭和26年)5月17日、スペインのアヴィラ修道院で開催された会議でした。
初代理事長ヴィセンテ・ゴンザレス神父様が席上、「終戦後日本の教育界は一番大切な道徳教育が欠如している事を痛感し、会の精神に従い同時に国際文化の交流にも貢献することが出来るようにと考え、四国に学校を設立したい。」とお話されたことがきっかけとなって、本校の創立が実現したのです。
本校の創立者は、聖ドミニコ修道会元管区長、シルヴェストレ・サンチョ神父様で、学校設立の根本的精神について、「愛光学園は聖ドミニコ修道会の精神に基づいた方針に従って、人間の知的及び道徳的教育の高いスタンダードとして、発展していくことができるように」と語っています。
また、先ほど触れた、本校創立のきっかけとなった初代理事長ヴィセンテ・ゴンザレス神父様は、「ドミニコ会の精神に従って、道徳的な点に力を入れて、新時代の日本にふさわしい全人教育を青年たちに与えるということ。このことを学校の基本方針にしたい。」と述べています。
また、第3代理事長、サトルニノ・ゴンザレス神父様は、「聖ドミニコ修道会の精神は、真理探究の道を、厳しい勉強で歩むとともにキリストの愛の精神に基づいた徳の高い人間を作りあげることであります。」と述べています。
この創設の理念を受けて、初代校長田中忠夫先生が先ほど朗読された「われらの信条」を雪の降る夜に起草し、本校の1期生から現在まで、同窓生、そして現役生共通の思い出となる「建学の精神」として受け継がれてきているのです。
建学の精神とは、「どのような目的で学校を設立し、どのような生徒を育てたいか」を言うのであります。
中略
さて、今日はイギリスの科学者、ジム・ラブロック氏が述べた、地球が一つの生命体であるという「ガイア理論」についてお話をしてみましょう。
わたしは、中学1年生が大洲青少年の家で実施する研修のキャンドルサービスの際に、自然と人間が一体化しているのではないかという話をしたことがあります。紹介しましょう。
—— 今皆さんの前にあるキャンドルの火を見つめながら火と水と風について考えてみましょう。
皆さんの多くはこの火と水と風が人間とは別個の存在のように思っているかもしれませんが、実は人間と一体化しているのです。なぜかというと、この火と水と風の働きが人間の体の中にあるからです。
先ず目の前にあるキャンドルの火について考えてみましょう。人間の体内で火の働きは一体何でしょうか。それは36度7分の体温です。もしこの温もりがなければ人間は生きることはできません。古代ギリシャの哲学者、ヘラクレイトスは火をアルケー、つまり、万物の根源と考えました。
それでは水はどうでしょうか。人間の身体の60%~70%が水分である事は皆さんもよく知っていることです。もしこの水分がなければ、ひからびてしまうことになります。
人類史上初の哲学者とされる古代ギリシャのタレスは水を、アルケー、つまり、万物の根源と考えたようです。
それでは、風についてはどうでしょうか。キャンドルの火をよく見つめてください。火はほんの少しですが、揺れていますね。わずかですが、風が吹いているのです。それでは人間の体の中で風の働きをしている部分があることに皆さんは気付いているでしょうか。それは人間の呼吸です。この吸ったり吐いたりする呼吸がなければ、人間は生きることができません。風がなければ人間は生きていくことはできないのです。
このように考えていくと、火と水と風は人間と一体化していることがよく分かると思います。つまり、火や水や風といった自然を大切にするということは、実は、わたしたち人間を大切にすることだということが分かってもらえたと思います。 —— という話をしました。
では、ここでわたしたちが暮らしている地球について考えてみましょう。
自然と人間が一体化しているということになると、地球が一つの生命体であるという考えがより理解しやすくなると思うのです。
例えば、地球の温暖化にストップをかけようと世界が動き始めていることを皆さんはよく知っていることと思います。温暖化によって地球のリズムが崩れ、いたるところで天変地異が起こる。それは地球という生命体に異常が起こっていることへの警鐘であるということを世界の人々は理解する必要があると思うのです。
約46億年の歴史を持つ地球が生命体として今後も存在し続けるには、同じ生命体の中で活動する人間が地球に対してどれだけ心遣いをすることができるか、そのきめ細やかな心遣いが、生命体としての地球の存続に大きくかかわってくることをわれわれ人間は忘れてはならないのです。そして、人間は、生命体としての地球の中で暮らしていることを常に頭において行動しなければなりません。
わたしたちの命は地球と共に長い歴史を持つ大切な命であるということを心に留めておいてください。
保護者の皆様への挨拶