6月23日に開催した中高合同全体集会での講話を紹介したい。
——皆さん、何度も述べていることですが、タブレットやクロームブック、またスマートフォンを適切に使用しているでしょうか。
皆さんに、勉学を頑張ってもらいたいと新しいチャレンジを行っていますが、うまく活用するのは皆さん、一人ひとりです。
学習以外のことにはまってしまって、ネット依存やゲーム依存になり、肝心の勉学がおろそかになっていることはありませんか。ネットリテラシーを身に付けて、学力アップにつながる使用でなければいけません。
ある調査で、勉強を2時間するが、長時間スマホを使う生徒よりも、30分しか勉強しないのにスマホを持っていない生徒の方が成績が良いというデータが示されています。一考に値するデータではないでしょうか。
皆さんはSociety 5.0の世界に生きる人たちです。ICT機器はその道具なのです。
2016年に内閣府が提唱した「Society 5.0」は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合し、経済発展と社会課題の解決を両立する人間中心の超スマート社会のことを指します。教育の世界ではGIGAスクール構想が打ち出され、小中学校の児童生徒に一人一台の端末が用意され、DX(デジタル・トランスフォメーション デジタルによる変革)への挑戦をおこなっています。
さらに、内閣府は「Society 5.0」の実現を目指すさらなる具体的手段として、ムーンショット計画という国家プロジェクトを発表し、2050年までに実現を目指す目標として、現在10の項目を設定しています。
ムーンショット計画
目標1:身体、脳、空間、時間の制約から解放 (サイバネティックアバターの分野)
目標2:疾患の超早期予測・予防
目標3:自ら学習・行動し人と共生するAIロボット(心の通うロボット)
目標4:持続可能な資源循環(地球環境の再生、プラスティック分解等)
目標5:未利用生物資源を活用した食料供給
目標6:誤り耐性型汎用量子コンピュータ(経済・産業・安全保障の変革)
目標7:主要な疾患を予防・克服し100歳まで安心・活力ある生活(健康長寿)
目標8:気象制御による気象災害の脅威からの解放
目標9:こころの安らぎや活力の増大(精神的豊かさの実現)
目標10:ヒュージョンエネルギー(核融合エネルギー)の多用な活用(資源制約からの解放)
です。
ムーンショット計画と言うくらいですから、そのすべてのプロジェクトが実現可能ということではありませんが、失敗を恐れないチャレンジを重ねるということであろうと思います。2050年と言えば、現在の高Ⅰ生の皆さんが40歳になる年であります。
先日中部地区の同窓会に出かけた際に、同窓生の記念講演を聴いてびっくりしました。日本を代表する核融合の研究者である25期卒業の藤堂泰教授の講演でした。「ムーンショット計画」の最も新しい10番目の目標に取り組んでいる講演だったのです。専門的な話はわたくしの理解を大きく超えていたのですが、海水からエネルギーを取り出すという話を聞いて、まさにムーンショット計画だと感じました。
わたしは彼に、これは今世紀中に実現するのかと聞いたところ、2030年代に核融合発電を実証するのが政府の目標ですというお返事でした。
皆さんは将来、ムーンショット計画のような壮大なプロジェクトに向かう人たちです。そのためのICT教育であることを忘れないでいただきたいと述べて、中高合同全体集会の話を終わります。——
今回で、1学期の「チュータのひとりごと」を終了します。
2学期は9月6日(日)から開始します。