チュータ日誌

(2014/09/06)もう一度、俳句甲子園

夏休みも実力テストも終わり、文化祭準備の始まった9月の第1土曜。夏休み中に行われた俳句甲子園で本校俳句部は3位に入賞しましたが、そのときどんな俳句をよみあったのだろう、と気になり始め、俳句部の顧問にお願いして、データを提供していただきました。しみじみ味わってみてください。なかなかすてきです。

トーナメント表

 

俳句甲子園は3校ずつで編成した予選リーグのあと、1位通過の学校が決勝トーナメントを戦うという、あのサッカーワールドカップのやり方である。さて、それでは各試合の俳句を掲載する。なお、試合ではお互いの句に対しての議論も行われ、それへの評価も判定に影響するとのことなので、純粋に句のみの評価ではないようだ。

 

予選リーグ
1試合目
愛光 就実高等学校(岡山県)
炎天や水吸はれゆく千羽鶴(平田) 炎天や大地は揺れるように見え ×
炎天やサグラダファミリアの未完(木原) 炎天や風は這うよう音は止む ×
炎天や勝って干される柔道着(野嵜) 炎天下鞄の中の紙ぬるし ×
⇒3対0で愛光の勝利
2試合目
愛光 筑紫丘高等学校(福岡県)
烈風に入りて飛魚の小隊(石丸) 女達飛魚となり百貨店 ×
× 飛魚さばく最後に翼もぎとって(武井) 凪いだ青打ち抜く一矢つばめ漁
導火線つけて飛魚発射され(木原) 友遠し訪ねて走るあごの子や ×
⇒2対1で愛光の勝利
⇒愛光:予選リーグ1位となり決勝トーナメント出場
決勝トーナメント
1回戦
愛光 土佐高等学校(高知県)
× 額に汗俺のカルビを裏返す(石丸) 汗まみれの青いTシャツ絞る姉
校長訓話千人の汗匂う(野嵜) モミアゲから汗のレールが垂れている ×
× 汗や人類の神殿建てし一滴(平田) 汗の粒汗の流れや方丈記
カーボンの義足をはずす手には汗(木原) もやしっ子汗にまみれて発芽せり ×
うつ伏せの背骨うきぼり汗をかく(武井) 百年後も汗と鳴子が踊る街 ×
⇒3対2で愛光の勝利
2回戦
愛光 松山西中等教育学校(愛媛県)
虫喰いの柿ため池に降りる径(野嵜) 過去未来木守柿を境とす ×
柿の実を狙う高枝切鋏(武井) 匂ふ髪一房零し柿をむく ×
× 食べかけの熟柿淫らに手の内に(木原) 子規の町渋柿に日の暮れ切りぬ
× 重力に逆らいながら柿熟れる(石丸) 表札の跡濃き家の柿熟す
老医師の指すレントゲン柿二つ(平田) 国境礎石に憩い柿を食む ×
⇒3対2で愛光の勝利
準決勝
愛光 洛南高等学校B
お前らが写せと素つ裸で笑ふ(武井) 梅雨晴れのみな前を向く写真かな ×
× にんまりと写楽の役者鵙の贄(平田) 十六夜や写真を捨てる手の震え
× 火事写す今来た人も手を伸ばし(木原) 写生する時には種のある西瓜
活動写真の家族の正座百日紅(野嵜) 遠雷やはたと倒れる写真立て ×
× 譜の黒き狂気を写す熱帯夜(石丸) 箱庭の写真を撮りて完成す
⇒3対2で洛南の勝利

なお、大会では個々の俳句の優劣を審査し、個人賞も表彰され、本校は2名が表彰された。 【個人賞:入選】 汗や人類の神殿建てし一滴(平田) 炎天やサグラダファミリアの未完(木原)

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