寮からのお知らせ

(2009/04/04)中3寮生進路探究旅行の報告

2009-3-17-中3東京-42.jpg2009年3月17日から19日までの3日間、中3寮生の希望者19名が、東京への進路探究旅行を行いました。さまざまな方面で活躍中の本校OBの協力をえながら、大学や企業、官庁や研究所などを訪問し、これからの自分の進路を考えるきっかけにしようというものです。

 初めての試みでもあり、少々欲張った内容になってしまい、日程はかなりハードでしたが、参加した中3生は最後までどん欲にさまざまな情報を一生懸命吸収しました。


◎3月17日(火曜)=1日目

2009-3-17-中3東京-07.jpg学年末試験終了の翌日、つまり春休み初日、寮生19名は学校のマイクロバスにのり、松山空港へと向かいました。参加者の中には東京の出身者もいましたが、東京がはじめての生徒もたくさんいます。いままで、事前学習もある程度行ってきましたが、いよいよ実地での学習です
2009-3-17-中3東京-14.jpg朝9時半発のANAで出発し、11時ころに羽田着。これからモノレールにのって浜松町に向かいます。途中の窓からの眺めも生徒達にとっては驚きだったかもしれません。
★東京朝日新聞社

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まず最初の見学先は朝日新聞社(東京本社)です。報道ステーションでおなじみの一色清さん(本校16期生)が出迎えてくれました。昼食は朝日新聞社の社員食堂をつかわせていただきました。社員の気分に浸りつつ昼食を食べ、昼食後、サインをもらう生徒もいました。
2009-3-17-中3東京-17.jpg昼食後、見学者の集まるホールに移動し、記念写真を撮影したあと(記念写真を掲載した新聞をあとでいただきました)、朝日新聞社の概要を聞きます。ビデオも視聴し、いよいよ社内見学です。
★東大生産技術研究所(堀研究室)

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京王井の頭線の駒場東大前で下車し、とりあえず駒場の正門に入っていきました。ちょうど、構内は合格発表が終わり、入学手続を行う時期でもあり、部活への勧誘を行う立て看板が立っていました。「東大ラグビー部」の立て看を見つめる、本校ラグビー部顧問S先生。何かを企んでいるのかもしれません。
2009-3-17-中3東京-41.jpg出迎えてくださったのは、本校16期の堀洋一教授です。研究所の敷地の北側にある駐車場が面会場所です。まずは、しっかりと先輩にあいさつをしました。
2009-3-17-中3東京-51.jpg堀教授のほか、研究室の学生のみなさんが相手をしてくださいました。ここで見せていただいたのは、電気自動車です。ただし、通常の電池を使用したものではなく、コンデンサーの一種であるキャパシタを利用した電気自動車です。外国製のちいさな車にキャパシタやモーター、コンピュータを装備して走行実験をしています。ガソリンエンジンと違い、4輪のそれぞれにエンジン(モーター)をとりつけ、正確な運動制御が可能なため、安全な走行が可能なのだそうです。
2009-3-17-中3東京-61.jpg生産技術研究所にある試作工場。ここでは、それぞれの実験室からの注文をうけ、いろいろな実験道具や製品を製作しているそうです。コンピュータで制御された自動式のものや、手動式のものなど、おもに金属加工用の工作機械の操作方法やどのような製品が作れるのか、などを教えていただきました。
2009-3-17-中3東京-74.jpg駒場の研究所から宿へと向かいます。夜も7時をすぎ、すっかり暗くなっています。今回の旅行では、企画の段階で欲張ってしまい、訪問先をできるだけたくさんにしたため、生徒にとって少々ハードな面がありました。しかし、さすがティーンエージャー、疲れを見せずがんばりました。
◎3月18日(水曜)=2日目

★OB大学生と待ち合わせ2009東京旅行3-18-008.jpg

朝9時30分に東大正門で待ち合わせです。正門には本校OBで現役の東大生が道案内のために来てくれました。これから半日、いっしょに研究室回りをしてくれることになっています。ご対面の場面です。
★樽茶清悟研究室(物理工学科)

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午前10時、工学部の樽茶研究室訪問。樽茶清悟先生は本校14期の卒業生で、工学部物理工学科で量子力学の応用を研究されています。研究室近くの教室で、まず講義が行われました。先生のお話のあと、2つのグループに分かれ、2つの実験室を見学することになりました。一つは樽茶先生の実験室で、もう一つは他の先生のレーザー関係の実験室です。この写真はレーザーの部屋です。部屋中、機器類が並べられ、そのなかで、研究室のスタッフからいろいろと実験装置の説明をうけました。
2009東京旅行3-18-025.jpgとにかくたくさんの機材だらけで、狭い通路を縫うように歩き、「これぞ工学部」という雰囲気を味わうことができました。
2009東京旅行3-18-045.jpg午前11時30分すぎ、樽茶研究室をあとにして、理学部の常行研究室に向かいます。理学部は本郷の時計台の北側になります
★常行真司研究室(理学部物理学科)

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常行真司先生は本校の22期生です。われわれの訪問を理学部の建物の前で待っていてくれました。まずは全員であいさつです。
2009東京旅行3-18-054.jpg理学部にはノーベル賞を受賞した小柴昌俊さんを記念する立派なホールがありました。教室に入る前に、常行先生から、展示物をみながら小柴先生の研究のあらましをうかがいました。
その後、教室で常行先生から理学部全体のようすや、ご自身の研究について、講義を受けました。

★学食

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午後1時。時計台の地下にある生協食堂で昼食です。ここは、食堂の上にかかる通路。空腹のため、引率教員も必死に食事をとり、思わず写真を撮り忘れました。(赤門ラーメンはおいしかったです
★西原真杉研究室(農学部獣医学科)

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午後2時からの農学部西原研究室訪問に向かいます。道路をまたぐ陸橋を通り、お隣の農学部の敷地に渡ります。西原真杉先生は本校の15期生です。農学部獣医学科でラット・マウスを使用して動物の脳の働きを研究されています。まず、教室で先生からお話をしていただきました。

2009東京旅行3-18-065.jpg生徒は3つの班に分かれ、3つの場所を順番に見学することになりました。一つはラットの飼育をしている場所です。ラットへの病気の感染を防ぐための防護をして見学しました。
2009東京旅行3-18-068.jpg次はラットへの手術のようすを見学しました。ラットの首からパイプを通し、採血しやすくするための手術です。
2009東京旅行3-18-074.jpg3つめは、マウス・ラットの脳の切片を顕微鏡で観察するための実験室の見学です。スタッフが切片を見せてくれています。
2009東京旅行3-18-089.jpg農学部から、本郷三丁目の駅をめざし、大学構内を歩いていきます。もうすっかり夕方です。途中、赤門で記念撮影をし、ここで、ずっと同行してくれたOB東大生と分かれました。本当に感謝です。
★霞ヶ関
2009東京旅行3-18-090.jpg本郷三丁目で地下鉄に乗り、霞ヶ関で下車。午後4時ころ、夕暮れ時の官庁街を歩く、寮生たち。
★文部科学省
2009東京旅行3-18-093.jpg文部科学省で出迎えてくれたのは、菊地さんと石川さん(ともに本校43期生)の2人でした。省内の会議室を借りて、準備してくれていました。
まず、菊地さんと石川さんから、文部科学省の仕事について説明がありました。
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2009東京旅行3-18-127.jpg夕方の6時が近づいてきました。文科省をあとにして、しばらく霞ヶ関の散歩です。国会議事堂や首相官邸の姿をかいま見ることができました。「おお、これが首相官邸だ」とどよめく一団。そこかしこに警察官がたっていました。時間がないので、見学は数分。すぐに地下鉄「国会議事堂前」駅にもぐりこみ、原宿へ向かいました。
2009東京旅行3-18-129.jpg明治神宮前で電車を降り、原宿の「さくら亭」に向かいました。ここで関東同窓会のみなさんが、歓迎会を開いてくれました。現役大学生の若手から年配の先輩方まで、たくさんのOBの方々がかけつけてくれました。
2009東京旅行3-18-135_edited.jpg中3の寮生に配慮していただき、「禁酒禁煙」の2時間でしたが、OB諸氏にとっては大変だったのではないかと思います。寮生はたくさんのOBの方々の歓迎を受けて、相当テンションがあがっていましたし、いろいろと大学のことや仕事のことなどお話をうかがうことができたと喜んでいました。
◎3月19日(木)=3日目

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3日目の出発です。今日だけは貸し切りバスで移動します。バスの中は、電車とはちがって、くつろいだ雰囲気です。とりあえず羽田へ向かって動きます。
 ★全日空機体工場(羽田)

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午前10時、全日空の工場に到着し、見学前に説明を受ける会場に入ります。ここに、全日空に勤務されている三宅(35期)さんがきてくれ、会社のようすを聞かせてくれました。
2009東京旅行3-19-032.jpgさあ、いよいよ工場見学に出発です。全員、ヘルメット着用。ドアをあけると、いきなりそこは飛行機整備のドックでした。地上から10m近い高さがあったと思います。目の下に何機か飛行機が停まって整備中でした。
2009東京旅行3-19-048.jpgとにかく、整備工場の空間が広く、その規模の大きさに圧倒されました。整備中の航空機に足場が組まれています。エンジンだけでもでかい。こんなに大きな機体が空を飛ぶんです(松山から乗ってきましたが・・・)。
2009東京旅行3-19-063.jpg工場見学の終わりに、もう一度三宅さんにきていただき、お礼の挨拶をしました。
★理化学研究所(横浜研究所)

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羽田空港からバスで30分ほどで、横浜鶴見の理化学研究所に到着しました。ここでお昼の弁当をたべ、まず、OBの成見さん(31期)に研究の紹介をしていただきました。

成見さんは現在は電気通信大学情報工学科準教授ですが、以前、ここで研究員として分子構造を立体的に表示し、シュミレーションを行うためのコンピュータシステムを研究されていました。そのときに開発したシステムを会議室にもちこみ、生徒に見せてくれました。(液晶画面は実は立体的にみえるもので迫力があります)
2009東京旅行3-19-078.jpgゲームでつかうようなジョイスティックを動かすと、画面の微動するタンパク質(?)の中を、薬品の分子が移動していきます。手応えがジョイスティックの振動になって返ってきます。
2009東京旅行3-19-084.jpgその後、スーパーコンピュータ「GRAPE3」を見学しました。これは分子動力学シュミレーション専用の計算機で、2年前に世界最速を記録したものだそうです。成見さんの話によると、目的を特定化することで、費用をおさえながら、高速の計算機をつくることができるそうです。
2009東京旅行3-19-098.jpgコンピュータ見学のあと、NMR施設の見学を行いました。NMRとは「核磁気共鳴装置」のことであるらしく、超伝導磁石で生み出された強力な磁場を利用して、タンパク質などの物質の立体構造を調べる装置のようです。
ここにはNMRが30台もあり、世界でも類がないとのことでした。
写真はそのNMRの1つで、火星人のような雰囲気です。周囲のたてものは磁場に影響を与えないよう木造になっているとのこと。
2009東京旅行3-19-099.jpgNMRについて質問する生徒達。今回の旅行では、生徒達が実に積極的に質問をしていました。また、担当の先生方も、いっしょうけんめい、わかりやすく答えてくださいました。
2009東京旅行3-19-109.jpg午後3時半、全行程が終了しました。
みんなほっとしたと思います。
理化学研究所をあとにして、これから帰路につきます。半数の生徒はJRの各駅に向かい、残りの半数はバスで羽田空港へ行きました。
参加者はレポート作成が義務づけられています。また、機会があれば、ご覧にいれたいと思います。

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