愛光中学・高等学校 生徒の皆さんへ 校長 中村道郎
学校の周囲の桜が満開となり,新入生,そして在校生を迎える最高のシーズンを迎えましたが,今年はコロナウイルスの影響で,中高とも休校となり,全生徒と教職員が一堂に会することができないのは大変残念です。
昨日,4月10日(金)に理事長をはじめ,新入生の学級担任の先生方が集まり,体育館で入学式を実施しました。
68期中1と65期高Ⅰの新入生の皆さんには本日,YouTubeで配信しました。
そこで,新入生,在校生の皆さんへの激励の意味を込めて,入学式の式辞の一部を文章で紹介します。
心臓血管外科医として一躍脚光を浴びた,天野篤順天堂大学医学部付属順天堂医院院長のお話で,致知という月刊誌に掲載された記事です。
――失敗のない人生など,まずありません。思うに任せない人生の中で夢を叶えるには,コツコツ努力するしかない。自分の得意分野を見極め,鑿とハンマーで分厚い岩盤を穿っていくように,コツコツと道を切り開いていくしかないというのが,躓きから20代をスタートした私の実感です。
その地道な努力の効果を少しでも高めていくため,若い方々に身に付けていただきたい習慣が,「まずやる」「すぐやる」です。
仕事や勉強では苦手なことを後回しにしてしまいがちです。しかし,それを繰り返している限り苦手はいつまでも克服できず,夢を手にすることも叶いません。これをやらなければ次へ進めないという強い決意を持って「まずやる」ことが大切です。
「すぐやる」とは,席に着いたら脇目も振らず,とにかくやるべき仕事や勉強に取りかかることです。いまはスマホやゲームなど,夢の妨げとなる誘惑がたくさんあるので,そうしたものに振り回されないためにも,やるべきことを「すぐやる」習慣をつくることが大事なのです。――と語っています。
それでは,全校生の皆さんにお尋ねします。
中1と高ⅠEの新入生の皆さんは在籍したそれぞれの小学校,中学校で,また,本校に在籍していた皆さんは本校中学,高校に入学してこれまで,「まずやる」「すぐやる」という習慣を身に付けていたでしょうか。
しかも,「させられている」という受身的意識ではなく,主体的意識をもって勉学やスポーツに取り組んできたでしょうか。
この時期に各自の取り組みを見直してみると良いと思います。
本校では四国の他の学校に先駆けて,中学生全員にタブレットを,また今年から高校Ⅰ年生全員にクロームブックを配布し,さらに高Ⅱ,高Ⅲの一部の授業でICT機器を使用しています。端末を使用する学年は,ネットリテラシーを身につけ,主体的意識をもって利用することを期待しています。
そのためにも,日頃の学習において,「まずやる」「すぐやる」を皆さんの合言葉にしてもらって,「まず,今,何をなさねばならないのか」を考え,「すぐに実行に移す」習慣を身につけてください。
全校生の皆さん,新型コロナウイルスの影響で,共に学習やスポーツに打ち込むことができない環境にあります。
このように困難な状況の中でわたしたちに何ができるか,考えてみることが大切です。
全世界の人間に与えられた大きな試練の場を共に乗り切っていこうではありませんか。
また皆さんの学習については,ICT機器と印刷物によって通知される学校の指示に従って「まずやる」「すぐやる」で進めてくださることをお願いします。
今は不安もあると思いますが,体調に留意して,しっかり学習も続けてください。
皆さんと再会できる日を楽しみにしています。