学校からのお知らせ

(2020/05/20)学校再開に寄せて ホアン理事長メッセージ

司祭館にいると、技術室・家庭科室で熱心に授業をしている生徒の声、寮生の騒ぎ声、また、グラウンドで生徒が遊んでいる音などが、四六時中聞こえてきます。しかし3月から、生徒の気配と音が消えてしまい、怖いほどの静けさに包まれています。

グラウンドや校舎に足を運んでも、生徒がいないので、寂しくなります。3か月間ずっと、このような孤独感を感じながら、日々を過ごしています。

3学期末、生徒の皆さんと話ができなかったこと、67期生の最後の期末試験に、100点満点をつけられなかったことは、とても残念でした。

また、4月に入学した中学1年生と高校Ⅰ年E組の皆さんにまだ会えていないので、歓迎の気持ちを直接伝えることができず、悔しい気持ちがあります。「みんなに会いたいな、学校が再開できるのはいつだろうか」とずっと考えてきました。

 

私達は、全ての生徒一人ひとりを等しく大切に思っていますので、不公平、分裂、差別等を生むことなく学校を再開するためには、一斉に生徒全員が集まってスタートすることを条件としました。

ようやく再開の日を設定することができて、皆さんが登校することを楽しみにお待ちしています。しかし、新型コロナウイルスに対するワクチンがまだできていないので、どんなに予防対策をしていても、感染してしまう可能性があります。学校や寮で罹患者が発生することを想定し、教職員が様々な準備をしています。

 

データによると、諸外国と比べると、日本は新型コロナウイルスの感染者数、及びそれによる死者の数は少ないようです。これは、日本の医療のレベルが高いことに加えて、現場の関係者が命をかけて取り組んでくださっているからです。この場を借りて、全国の医療関係者の皆さんに感謝を申し上げるとともに、応援していることをお伝えします。愛光学園の卒業生や、生徒のご家族には、医師をはじめとして多くの医療関係者がいらっしゃいます。その方たちが、こうして新型コロナウイルスと戦い、社会に貢献してくださっていることを、大変嬉しく誇りに思います。愛光学園の関係者によって、新型コロナウイルスのワクチンが発見されたら、とても嬉しいです。

 

驚いたことに、報道によると、人々の健康を守っている医療関係者が、いわれなき誹謗中傷に苦しんでいるそうです。また、不運にも新型コロナウイルスに感染してしまった人を、気の毒に思い労わるどころか、非難したり差別したりする風潮があるようです。

生徒・ご家族の皆さん、社会がこのようにいびつに変化しているとしても、愛光学園には、特別なコミュニティーがあります。それは、お互いに理解し、受け入れ、支えあい、交流し、共にいろいろなことを学び、卒業後はもっといい社会を作るために努力したいと願う、強い精神を持った同じ仲間の集まりであります。

間違いなく、コロナ騒動の前後で社会は変わってきています。変容していく社会に対して、私たちは憐れみ深い心を持ち、愛情に満たされて、人々のために光となりたいと強く思っています。

 

学校が再開しても、マスクを着用しているので、残念ながら、皆さんの笑顔や生き生きとした表情は見えないのですが、皆さんの熱意を目の輝きから感じたいと思います。

今だからこそ、教室に入った瞬間から、熱心に授業を聞いて勉学に励み、未来を切り拓いていただきたいです。

卒業後の集まりで、今この時を思い出して、「コロナで大変だったけど、それを乗り越えて努力した結果、私たちはもっといい社会を作りましたよ」と、語り合えるように。

 

さあ、愛光に集い、みんなと仲良くなって、兄弟姉妹のように力のある仲間の輪を作って、無駄のない日々、学校生活を送っていきましょう。

愛光学園理事長 ホアン・ベルモンテ

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