2学期の「チュータのひとりごと」を開始いたします。
始業式の講話の一部を2回に分けて紹介します。
後期補習に続いて,高Ⅲ生は第3回校内模試,そして高Ⅱ以下の皆さんは第2回実力考査が終わり,2学期の始業式を迎えました。
夏休み中,高Ⅲ生は勉学一筋に,また高Ⅱ以下の皆さんは,勉学はもちろんのこと,部活動やその他の活動においても,集中と発散をうまく組み合わせて,充実した生活を送ってくれたものと思います。
特に高Ⅲ生で,今年の夏の特別プログラムに参加した皆さん,よく頑張りました。皆さんが毎日努力している姿を見せてもらいました。皆さんが学習に真剣に取り組む姿勢を頼もしく思いました。
また,高Ⅱ以下の生徒の皆さん,この期間中,運動部及び文化部において大いなる活躍をしてくれました。ご苦労さまでした。
中略
さて,現在中3寮生と高Ⅱ寮生の面談を寮で行っていますが,質問の中に君の長所と,直したらよいと思う短所は何ですかという項目があります。
短所については,ほとんどの皆さんがすらすらと答えるのですが,長所はと聞くと,不思議なことに,ほとんどの皆さんが「さあー」と首をかしげてしまうのです。
そして,しばらく考えて,「長所はありません。」と答える寮生もいます。
長所のない人間なんているわけがありません。
ところが皆さんは,小さいころから,あそこが悪い,ここのよくない癖はもう少し何とかならないかと,短所と思われるところを指摘され続けてきたのではないかと思います。
確かに短所を直していくことも考えるべきですが,長所を伸ばすことをもっと積極的に考えるべきだと思います。
そして,長所で短所を覆ってしまえば良いのです。
平成元年に亡くなられた元京都大学総長の平澤興氏が「長所で覆い隠された癖は時に応じてその人の味わいとなり花となって,その人に芸術味を与えることになる。
癖がその人の芸術になるまで,それくらいになるまでに成長しなければ,一人前の人間とは言われない。人間が大きくなれば癖は飾り物になる。」と述べています。
自分の長所をしっかりと認識し,その長所を力いっぱい伸ばしてほしいとお願いをしておきます。
ただ,学習面で得意科目が長所,不得意科目が短所ととらえている生徒もいましたので,触れておきます。
得意科目を伸ばすことによって,得点をゲットすることは大切なことです。
ただ,それで不得意科目を覆いきることができるかというと,そうはいきません。
不得意科目の克服という言葉を先生方からよく耳にすると思いますが,それなりの点数がゲットできるところまで,努力をしなければならないことは,賢明な皆さんのことですから,分かっていることと思います。