NHKの全国放送の番組でわたしの故郷,「興居島」が放映されることを知人からのメールで知り,すぐにテレビの電源を入れた。
番組がちょうど始まったところで,なつかしい光景が飛び込んできた。二人のタレントが定期船に乗って,興居島の由良へ向かっていた。船名は「アイランド号」である。
由良に到着し,カメラが港の光景をとらえると,わたしの自宅の2階の部分がかなり長い時間,映し出されていた。
現在は誰も住んでいない家であるが,自分が住み慣れた家には懐かしい思い出がたくさん詰まっている。
そうこうするうちに,カメラが移動し,キウイフルーツの畑が現れた。インタビューを受けたのが,その畑の所有者の家族であったために,畑に案内されたようであった。
そこに,たまたま,なつかしいA先輩が現れた。
しばらくして,電話で連絡を受けた畑の所有者が画面に現れてびっくりした。会うといつも言葉を交わす後輩のH君であった。
A先輩も後輩のH君もインタビューに楽しく答えていた。
ここで,男性のタレントと女性のゲストが別れ,女性のほうは,愛媛県指定無形文化財,興居島の「船踊り」を訪ねることになった。この「船踊り」は複数の伝馬船の上に舞台を作り,その舞台の上で,踊りを演じるもので,伊予水軍の凱旋の様子を踊りにして家族の者たちに見せたのが始まりとされている。
女性のゲストは興居島の同年代の女性とその父親の指導を受けながら,船踊りに挑戦していたが,見事にこの踊りを演じていた。
翌週も続きの番組が放送され,興居島中学の生徒たちが紹介されていた。
母校,興居島中学を久しぶりに見て,懐かしい思い出がいくつか心に浮かんだ。
興居島中学での最も心に残る思い出は,以前にこの「ひとりごと」で触れたことのある「トイレ掃除」である。
あの当時のトイレ掃除は,現在の本校のトイレ掃除とは問題にならないほど,大変なものであった。当時のトイレ掃除に「誇り」のようなものを感じているのはなぜであろうか。
現在,本校でトイレ掃除を楽しくできるのは,興居島中学のトイレ掃除のおかげであると言える。
掃除も工夫次第で楽しくできるものではないかと思っているのだが,生徒たちにこの思いが通じるかどうかは疑問である。
2回にわたって放映されたテレビ番組で,特に女性のゲストの「人や郷土」に対する熱い思いに触れて感動した。
わたしは若い女性の芸能人にはまったく興味がなかったが,この番組の女性のゲストには心を揺さぶられた気がした。
今年の「チュータのひとりごと」は今回で終了します。
来年は1月24日(日)から開始する予定です。
ご家族お揃いで良いクリスマス,そして良いお正月をお迎えください。