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(2016/03/06)チュータのひとりごと 第486回(平成27年度卒業式 式辞(1))

 3月1日(火)に実施した58期生卒業式の式辞の一部を2回に分けて掲載します。

 

 

 今日の卒業式という記念の日に,皆さんの人生をより豊かにするということに少しでも役立つことを願い,「真剣勝負」について話をします。

 「真剣勝負」については,皆さんが中学3年生の3学期の始業式でも触れたことを覚えているでしょうか。

 わたくしは皆さんに,ことあるごとに,「授業は真剣勝負」である,授業を大切にしなければ,実力などつくわけがないと伝えてまいりました。

 国語辞典には真剣勝負とは,「負けると生命を失うことになる勝負・失敗が致命的な損失につながる試練の意にも用いられる」と記されています。

 皆さんの6年間,あるいは3年間の授業は真剣勝負だったでしょうか。

 心静かに振り返っていただきたいと思います。

 昨年度の卒業式,つまり皆さんが高校2年生の時に参加した卒業式で,「原因と結果」の話をしたことは,まだ記憶に残っていることでしょう。

 授業をどれだけ真剣に受けたかという「原因」が,前期の試験の「結果」につながっていることは申すまでもありません。

 卒業生の皆さんは,高校での授業は終わりましたが,大学に進学し,引き続き勉学に励むことになります。大学でも,「講義は真剣勝負」という心構えで取り組んでください。

 さらに,もっと広い意味で,「人生は真剣勝負」という言葉を皆さんに送ります。

 パナソニックグループ創業者の松下幸之助氏は著書,「道をひらく」の中で次のように述べています。

 ――仕事というものは勝負である。一刻一瞬が勝負である。だがおたがいに,勝負する気迫をもって,日々の仕事をすすめているかどうか。

 まず普通の仕事ならば,ちょっとした怠りや失敗があったとしても,別に命を失うというほどのことはない。それでも,ともかく日は暮れて,その日の仕事はまず終わる。だから,つい気がゆるむ。油断する。きょうはきのうのくりかえし,あすもまた同じで,別段とくに変わったこともなし,しかしこれではいい知恵はうかばない。創意も生まれなければ,くふうも生まれない。そして何の緊張もないかわりに,何の喜びもないということになる。――

 今後,皆さんが社会に出て仕事に就いたとき,この言葉をぜひ,思い出していただきたいと思います。

 皆さんを待ち受けている社会は真剣勝負のできる人材を求めているのです。

 それでは,真剣勝負の気持ちで仕事に向かうということは,どのような意味をもつのでしょうか。

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