森信三氏は,「人間となる道を明らかにするため」,「自分が天から受けた本性を十分に実現する途を見出すため」に学問をする,と述べています。そして,その自己の天分は,「自分というものを超えたある何物かに自己をささげるという気持ちがなければ」十分に発揮できないと言うのです。
つまり,先ほど紹介した聖カタリナ,アインシュタイン,そしてヘレン・ケラーの言葉にもあるように,自分のためだけではなく,それを超える何か,あるいは他者のために生きてこそ,自分の真の力が十分に発揮され,社会に寄与することができるのです。そのような人物こそが,まさしく,「世界的教養人」,そして,「愛と光の使徒」になれるのではないでしょうか。
この世の中は人のなすことに正直で公平です。皆さんが何に自己を捧げるかを決めたら,その目標に向かって,「一日生涯」の気持ちで邁進していただきたい。すると,正直で公平な世の中は必ずや皆さんの努力にふさわしい結果をもたらしてくれます。これが,皆さんが高校Ⅰ年生の時の卒業式で述べた「原因と結果の法則」なのです。
やっただけが返ってくる,いや,もしかすると,「一粒万倍」にして返ってくることもあるのではないでしょうか。だから人生は面白いと思うのです。
皆さんはこれからさらなる学問修養をし,自分の天分を発揮できる道へ進んでください。「世界的教養人」,そして,「愛と光の使徒」を目指す人間こそがグローバル・リーダーとなり,世界を変えるのだと述べて餞の言葉といたします。
今年度の「チュータのひとりごと」は今回で終了です。
来年度は4月9日(日)に開始する予定です。