過去のチュータのひとりごと

(2018/06/03)チュータのひとりごと 第559回(体育大会順延)

 校長に就任後,初めて体育大会を順延した。

 就任後,初の体育大会はやはり,曇り空であった。開会式が始まるまでは雨は降っていなかったが,プログラム1番の「生徒入場」で朝礼台に立ったとたん,雨が降ってきた。

 生徒や保護者の気持ちを考えると,中止するわけにはいかない。雨の様子を見ながら続行し,雨の中で全プログラムを実施したように記憶している。

 途中,激しく雨が降ったこともあり,一部を中止しようかとも考えたが,練習を重ねてきた生徒のことを考えてプログラム通りに進めた。

 当時は土のグラウンドで,ぬかるみができただけでなく,至る所に水たまりができた。

 これを生徒たちは見逃さなかった。どのようないきさつで,そのようになったかは忘れてしまったが,一部の生徒たちが,この水たまりに向かってダイブし始めたのである。

 このダイビング,すぐに高校生にひろがり,水たまりのある至る所でダイブする光景が何度となく見られた。

 生徒たちは幼児の頃を思い出したのかもしれない。

 保護者のお一人がその時の様子を写真で送ってくださった。生徒たちが集団でダイブする姿が写真の中にあった。

 当然のことであるが,白い運動着は泥だらけである。

 体育大会が終わって2,3日してから,下校時に生徒と一緒に歩いている際に,複数の生徒からびっくりするような言葉をかけられた。

「先生,よくぞ,雨の中で体育大会をやってくださいました。思い出に残る体育大会になりました。」

 わたしは,雨の中で続行している時,生徒たちのテンションが下がっているのではないかと心配していたが,実際はそうではなかったのである。

 校長就任後2回目の体育大会は,熱中症を避けるため,また,天気が比較的安定していることもあって,5月に実施することにした。

 ところが,5月に移したにもかかわらず,この体育大会当日も曇り空であった。

 この年も前年同様,プラグラム1番の「生徒入場」で朝礼台に立ったとたん,雨が降り始めた。

 しかも,前年と違って風まで吹いた。

 そこで,プログラムの種目を一部取りやめ,順番も入れ替えて対応し,午後の早い時間に切り上げた。

 この時も多くの生徒たちが楽しそうに水たまりにダイブしていた。

 これらの2回の体育大会の実施から,本校の体育大会は雨天決行であるという噂が流れた。

 今年の体育大会は雨天のため初めて翌日に延期した。

 朝早く,雨が強く降っていて,雷注意報が出ていたことが中止の理由である。

 午後もかなりの降雨があったことを考えると順延したことは正解であった。

 ただ,雨天順延になったため,お仕事等の都合で,生徒たちのきらきら耀く姿をご覧いただけなかった保護者の皆様にご迷惑をおかけしたことが心残りとなる体育大会であった。

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