過去のチュータのひとりごと

(2019/03/03)チュータのひとりごと 第584回(ロイロノート・ユーザー会 愛媛・愛光学園 本校の教育機器の歴史(3))

ここで大きな変化が起こった。パワーポイントの登場である。Windows版が1990年にリリースされているようなので,OHPが15年続いたというのはほぼ間違いない。
このパワーポイントのことを知った時には,大いに感動した。膨大なトラペンシートを保存しておく必要もないし,何といってもかびることがないからである。また,中学生向きにアニメーションを工夫できるのも興味があった。
そこで,中1のプログレスの英作文(チュータブック)の解答をパワーポイントで作成することに取り掛かった。
この教材作りは実に楽しいチャレンジであった。
1年間かけてプログレスBOOK 1の1課から20課までのパワーポイントを完成した。OHPの時代が終わったのだと,妙に感慨深い思いにふけったことを覚えている。
このパワーポイントのチャレンジとほぼ同時期に,リズムによる英文の音読を始めた。
3歳児用のキーボードを3,000円で購入し,パソコンに付いていたスピーカーに接続し,リズムの音を増幅した。このキーボード単体では教室で使用するのに音が小さく,あきらめかけていた。裏をよく見るとジャックを接続する端子があることに気づき,接続コードを購入してスピーカーに接続したところ見事なまでに音が出た。この瞬間,感動のあまり,「やったー」という声が出てしまった。
主に使えるリズムは5種類である。英文をリズムに合わせて何度も音読し,英語独特のイントネーションを学習した。
現在NHKの基礎英語でリズムを導入しているが,本校ではすでに25年前からリズムで英文の練習をしていた。
当時の生徒が「テストの時にリズムに乗って英文がスラスラ出てくるので面白い」と言っていたのが印象的であった。
リズムを用いる英文練習で忘れられない思い出がある。
ご父母の参観日であった。いつものように,リズムによる練習を始めた時に,お母様がお連れしていた幼児がリズムに合わせて軽やかに体を動かし始めたのである。教室の雰囲気が瞬時に和やかになったことは言うまでもない。
今でもその時の情景は頭の中に残っている。
現在,中1,中2の全教室には電子黒板を設置し,全員がタブレットを用いた授業を展開している。わたしもタブレットにパワーポイントを移して対応しているが,バージョンが異なるせいか,一部手直しが必要であった。
また,これまで使用していた中1,中2のスクリーンは必要でなくなったため,取り外された。
中3から高Ⅲまでの教室にはまだスクリーンが残っており,先生方は天井に取り付けたプロジェクターでパワーポイント等による映像や音声を用いて授業を行っている。
いずれ,これらのスクリーンも取り外される運命にある。スクリーンを取り付けた者として少々寂しい気はするが,学校は常にchange & challenge(変革と挑戦)の場である。
教育の新しい流れに遅れてはいけないことを意識しながら,教育現場に新しい風を吹き込む努力をしたい。

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