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(2019/03/17)チュータのひとりごと 第585回(平成30年度61期生卒業式 変革と挑戦)

61期生の卒業式式辞の一部を紹介しましょう。
式辞
中略
わたしは,生徒の皆さんにも,教職員の皆さんにも,「Change & Challenge(変革と挑戦)」を訴えてきました。
地球と人類の歴史を振り返るとき,まさに,「Change & Challenge」の繰り返しであったことを述べてみたいと思います。
地球が誕生して46億年,多細胞生物が誕生して10億年,その間様々なことがあり,幾度か生命の絶滅の危機がありました。
英国の古生物学者,Michael J. Benton氏は著書「生命の歴史(鈴木寿志・岸田拓士訳)」の中で,ハーバード大学のディック・バンバッハ氏たちの研究を紹介し,地球上の大量絶滅は「三大絶滅」であると指摘しています。
つまり,オルドビス紀末期(4億4千万年前),ペルム紀末(2億5千百万年前),白亜紀末(6千5百5十万年前)に大量絶滅が起こったという説です。
さらに,マイケル・ベントン氏は,次のように述べています。
―― オルドビス紀末期の絶滅事件は,短期間の急激な寒冷化,つまり氷河時代の影響で,三葉虫,腕足動物,サンゴなどの仲間の多くが終わりを迎えた。
次のペルム紀末の大量絶滅は実に96%に及ぶ種が絶滅したと見積もられ,生命の完全な絶滅に最も近付いた事件であった。――
そして,最後の大絶滅については次のように記されています。
――直径10キロメートルにもなる巨大な隕石が地球を直撃し,この衝撃で直径150キロメートルにもおよぶ巨大なチクシュルーブ・クレーターがメキシコ南部のユカタン半島に形成された。クレーターは地球のマントルにまで達していたと示唆されている。――とあります。
この大絶滅については,皆さんもよくご存知の恐竜の絶滅の時期と合致しています。
そして,この三度(みたび)の大絶滅を経て,いよいよヒトが登場するのです。
ヒトの祖先はリス程度の体の小さな哺乳類であったと言われています。そして,長い年月をかけて現在のように進化しました。
もし,これが事実だとすると,気の遠くなるような期間をとおして,われわれ人類は変革に変革を重ねて現在に至っていることになります。そして,変革のたびに,環境適合と言う挑戦を繰り返してきたのです。
つまり,人類の歴史はまさしく「変革と挑戦」の道をたどってきたのであり,「変革と挑戦」は宿命としてDNAの中にしっかりと刻まれているのではないかと思うのです。

今回の「ひとりごと」でもって,今年度の「チュータのひとりごと」を終えます。
来年度は4月14日(日)より開始する予定です。

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