過去のチュータのひとりごと

(2019/09/29)チュータのひとりごと 第598回(愛光20期生 還暦の集い)

 本校の20期生が,還暦を迎える記念として,8月10日に市内のホテルで「60周年の集い」を開催した。
 当時の担任の先生方は,高齢になっていることもあって参加できないとのことで,元国語科の和田隆一先生とわたしとが招待を受けた。
 和田先生は新採時に20期生の国語を担当したこと,わたしは20期生が高Ⅲの時に,愛光学園に赴任したことが20期同窓生とのつながりである。
 
 次第は次の通りであった。

1.開会の辞
2.同窓会代表挨拶
3.来賓挨拶ならびに乾杯の発声
4.食事歓談・各自近況報告
5.集合写真
6.校歌斉唱
7.閉会の辞

 同窓会での私の挨拶は,必ず本校の建学の精神,「われらの信条」から始めることにしている。
 同窓生共通の思い出は何かと聞かれると,誰もが「われらの信条」と答えると言っても過言ではないと思っている。
 初代校長が「われらの信条」にどのような思いを託したのか,それを生徒,同窓生,保護者に伝えることが,校長としての大切な務めであると考えている。
 わたしの説明の中には私的なものも含まれているが,できるだけ初代校長の思いに近い形で紹介できるように工夫しているつもりである。
 この席では,初代校長田中忠夫先生が「世界的教養人」という言葉と,「愛と光の使徒」という言葉のどちらを愛していらしたかという話をさせてもらった。これは20回の卒業式の式辞を見れば,一目瞭然である。
 「愛と光の使徒」という言葉は20回すべての式辞に,しかも,肝心要の部分に登場するという点から田中忠夫先生は「愛と光の使徒」という言葉を愛していらしたことが伺える。
 初代校長田中忠夫先生の卒業式の式辞は,すべて記録として残されているが,学校長として最後の式辞がこの20期生の卒業式であったことを考えると,感慨深いものがある。

 20期同窓生の中には以前からよく存じあげている方々がいる。そのお一人が德永万喜洋さんである。
 德永さんは,最相葉月氏の著作「ビヨンド・エジソン」で,今世紀の科学を支える重要な研究,あるいは,これからますます重要になる新しい研究を行っている12人の博士の一人であると紹介されている。
 德永さんにお会いして,ご長男の浩人君のことが思い浮かんだ。
 浩人君は本校の50期生として入学したが,入学後,間もなく交通事故に遭って亡くなられた。この事故については,「チュータのひとりごと」で2度,第60回「德永浩人君を偲んで」と第92回「不慮の事故からまもなく1年」として紹介させてもらった。
 通夜式の席で,お母様が「浩人は,愛光50期生,200名の守り神となって頑張ってくれると思います。」とおっしゃった言葉が今も記憶に残っている。
 今も,50期生の守り神として本校を応援してくれているに違いない。そして,この日は天からお父様の還暦のお祝いをしてくれているに違いないという思いが浮かんだ。
 德永さんから,新校舎について,「よくぞ,素晴らしいビジョンを持って,夢のある建物を計画してくださいました。頑張ってください。」という激励の言葉をいただいた。
 浩人君には,新しい校舎も天から見守ってもらいたい。

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