過去のチュータのひとりごと

(2020/05/25)チュータのひとりごと 第619回(学校再開に寄せて 校長からのメッセージ)

 新型コロナウイルスによって全世界が大混乱に陥っています。本校もその例外ではありません。
 その中で,世界中の医療関係者が,自分を超えたある何ものかに挑戦する姿勢をわたしたちに示してくれています。
 まずこのことに感謝の意を表明することが,「愛と光の使徒たらん」とする,また「世界的教養人」を目指す人間の態度であると思います。

 わたしたちはこの地球上で生かされ生きています。
 以前にイギリスの科学者,J.E.ラヴロック氏が唱える「ひとつの生命体としての地球」という考えを紹介したことがあります。
 つまり,地球の生物,大気,海洋,そして地表は単一の有機体とみなすという説です。
 わたしたちが地球という生命体の中に存在すると考えると,有機体の中で生かされ生きているという考えがよく理解できます。このような立場に立てば,「われさえよくば」という強欲な態度は消え,共存という考えが頭に浮かんできます。
 生命体である地球との共存には傲慢ではなく,お互いに生かされ生きているという謙虚さが最も必要なのです。
 ウイルスに対しても,同じ有機体に存在するものとして,慎重な姿勢で,粘り強く向かい合うことが必要ではないでしょうか。
 ワクチンや特効薬のない中,わたしたちは,しばらくの間,この地球上で注意深くウイルスと共生するしかないように思えます。
 また,コロナウイルスは世界的な大問題ですが,わたしたちが地球上でおくる個々の人生においても,難題が起こることがしばしばあります。
 その難題に心を痛める中で,苦労して解決法を見出すことにより,人生が大きく好転することがあります。勉学にも似たようなところがあります。
 つまり,人生の大きな節(ふし)から新しい芽が息吹いてくるのです。
 校長室の観葉植物も冬を乗り越えて芽吹き,新緑を輝かせています。
 今回の新型コロナウイルスを大きな節として捉え,関係者全員が知恵を絞り,新しい芽を息吹かせましょう。「八方ふさがりになっても天は空いている」,皆さんで力を合わせてこの難局を乗り切りたいと思います。

 最後に,生徒の皆さんは約3か月間,学校に通うことができませんでした。この期間中,友人や先生方と共に語り合うことができなかったことをどのように感じたでしょうか。
 家庭で勉学を続けながら,開校が待ち遠しいと感じていたことと思います。その気持ちを大切に持って登校してください。そして,共におくる学校生活から新たな「Change & Challenge(変革と挑戦)」が生まれることを願っています。
 愛光の丘で共に思い出作りに励みましょう。

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