過去のチュータのひとりごと

(2020/07/19)チュータのひとりごと 第627回(授業参観とICT機器を用いたアクティブ・ラーニング)

 中1生のCLE2の授業については,神父様,音楽教員とわたしの3人で担当していることを以前の「ひとりごと」で触れたことがある。
 今回は自分の授業ではなく,新任の先生方や校舎内を巡回しながら参観する授業のことについて述べてみたい。
 現在,今年採用になった新任の先生方の授業参観を集中的に行っている。
 本校の教壇に初めて立つ時に,「感動,喜び,イキイキワクワク」の気持ちであることは自分の経験からも容易に想像できる。
 ただ,この「感動,喜び,イキイキワクワク」の気持ちを何年も,また何十年も持ち続けることはそれほど易しいことではない。
 教師として何をもって喜びとするか,その一番は授業から得る充実感であるとわたしは思っている。
 その充実感はどこから生まれてくるかというと,授業中の生徒の表情からではないだろうか。
 現在,新型コロナウイルス感染防止のため生徒も教師もマスクをしているが,このマスクが生徒の表情を見る妨げとなっている。授業を理解しているかどうかは,授業を進めながら生徒の表情を見れば分かる。これがマスクをしていると非常に困難である。
 また,教師の話を聞いて理解する講話においても,話者がマスクをしていると, 内容が十分には伝わらないように感じられる。このような場合,スピーチをしている人物の表情も,重要なポイントになるからだ。
 このような状況の中で,何をどのように伝えるかを工夫した授業でないと,生徒たちの授業後の「わかった感」は湧いてこないように思える。

 平成30年9月の文部科学省の資料に,「アクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び)」の視点からの授業改善について次のように記されている。
――「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善を行うことで,学校教育における質の高い学びを実現し,学習内容を深く理解し,資質・能力を身に付け,生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにすること――
 本校では現在,ICT機器を用いたアクティブ・ラーニングを推進するために,中学生全員がタブレットを,そして高校Ⅰ年生全員がクロームブックを所持して授業や家庭学習を進めている。
 あと2年すれば,全校生がICT機器を用いて学習に参加することになる。
 このタブレットやクロームブックを用いて,いかにして生徒の実力をアップしていくのか,change & challengeを続けていかなければならない。
 ICT機器の利用については様々な問題点も指摘されているが,文科省はGIGAスクール構想(Global and Innovation Gateway for ALL)によって,全国の小中学生に一人一台の端末環境を作ると聞いている。
 教育の世界が大きく変わろうとしているのである。
 今回の新型コロナ対策の一つとしてGIGAスクール構想が一段と加速するのは間違いない。
 本校も端末をどのように効率的に利用するのか,それぞれの教員が取り組まなければならない重要な課題であると考えている。

 1学期の「チュータのひとりごと」は今回が最終回です。
 2学期は9月6日(日)から開始します。

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