過去のチュータのひとりごと

(2021/01/17)チュータのひとりごと 第645回(年の瀬の出来事)

 年末に現金が必要になり,通帳とキャッシュカードを持って近くの銀行に出かけた。ウイークデイだったので営業中だったが,ATMのコーナーに向かった。
 途中,通帳記入がいっぱいになってしまったようで,新しい通帳に繰り越す必要が出てきた。てっきり,この繰越も自動で行われると思い込んでいたのだが,そうではなかった。
 そこで行員に尋ねたところ,画面に表示されているはずだと説明を受けた。もう一度ATMに向かい操作すると,無事に新通帳に繰越ができたので,再度,現金を引き出す作業に入った。
 ところが,どうしたわけか,画面の数字に触れても全く反応しないのである。
 何度数字に触れても反応がないので,少々焦ってしまった。これがいけなかった。
 行員に尋ねようと思って行内のカウンターに向かったが,行員は3,4人の顧客に対応中であった。そこに割り込むのも失礼だと思ったことも慌てる原因になった。
 もう一度,ATMのところに戻り,再度画面の数字に触れたが反応がない。
 ふと顔を上げると,白い電話が目に入った。そこには,何かトラブルがあれば,この電話で行員と話をするようにという指示が書かれていた。
 そこで,電話をしようと受話器を取ったときに,電話の上のオレンジ色のボタンが目に入り,それを勢いよく押したのである。プラスティック製のふたがついていたのは押した後で分かった。少し抵抗はあったが,ボタンを押すことができた。
 受話器を持って,応答を待っていると,行員が慌ててATMのところにやってきて,「どうかされましたか。あなたが押したボタンは警察に通報するボタンですよ。」と告げられた。
 行員はすぐにアラームを解除し,事なきを得た。受話器を取って押すボタンはこの受話器の上ではなく,下についていたのである。
 さらに恥ずかしかったのは,あれほど何も反応しなかった機械が,行員の前で画面の数字に触れると,何の問題もなくきちんと反応したことである。
 行員にお詫びをしてその場を去ったが,いまだになぜATMが反応しなかったのかは謎である。
 学校でこの話をすると,着用していたコートの袖が画面に触れていたのではないかと指摘された。なるほどと納得したが,もう一度同じ状態で試してみたいと思っている。
 今回の出来事で,焦った時こそ,落ち着いて行動することの大切さを改めて学んだ。
 高Ⅲ生は今日が「大学入学共通テスト」の二日目である。見たことのない問題にも遭遇することがあるだろうが,落ち着いて取り組んでもらいたい。

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