過去のチュータのひとりごと

(2021/01/31)チュータのひとりごと 第647回(大学入学共通テスト元年 高Ⅲ生激励(放送))

 皆さんの人生の中で最も大切な大学入学共通テスト元年の激励ということで,わたしも気合を入れて,ネクタイの中で最も高価で,大切にしているエルメスの赤の勝負ネクタイを着用してここにいます。姿を見ていただけないのが残念です。
 まあ,元がいいですからどんなネクタイを着用しても似合うとは思っているのですが。
 このような自信,ぼくは,わたしはできるのだという自信と,マークミスがないかという慎重さの両方を持って,試験に臨んでください。

 さて,皆さんが受験する「大学入学共通テスト」は今年初めて実施される試験です。
 共通テストの歴史について述べてみたいと思います。
 共通一次テストは本校の21期生が高Ⅲの時に初めて受験したテストです。当時,私は研究社の高校英語研究の巻末のテスト作成や採点をしていたので,いち早く情報をキャッチし,共通一次の模擬テストを作成したことによって,生徒から感謝された記憶があります。
 そして,大学入試センター試験に変更になったのが,32期生からであったように思います。そして,63期の皆さんから,大学入学共通テストに代わることになりました。
 英語成績提供システムと数学,国語の記述式に関しては,皆さんもすでにご存知のように,二つとも再考するという結論になりました。特に大学入学共通テストでの記述式の問題は難しいと考えています。

 せっかくの機会ですから,わたしが,担任として,また学年主任として経験したことについて話をしてみましょう。
 わたしが学年主任をした最後の期は21年前の42期でした。
 そのときには,まだ男子校でありました。夏の体育の時間の後に,汗で濡れた短パンを窓に干して,下着だけで授業を受けるような大胆な生徒が,センター試験が終わってからこのような話をしたのです。それは,たまたま試験場に女子生徒がいたようで,また,それが,隣に女子生徒がいたというだけで舞い上がってしまったというのです。
 愛光が男女共学になったということの大きな利点がここにあります。ここにいる女子生徒の皆さんのおかげで,そのような緊張感を持つことなく落ち着いて受験ができるのですから。
 ある年は,わたくしのクラスの生徒で,寮生でありましたが,受験票を忘れた生徒がいました。愛媛大学に設けられている受験本部まで一緒に走っていったことが記憶にあります。多分それが試験に大きな影響を与えると思ったのですが,この生徒は東大の文Ⅰに現役で合格しました。今でもそのことは本人の思い出に残っていて話題になります。受験票を忘れるなんてことはあってはいけませんが,万一,そのような事態になっても,あせらず,受験本部を尋ねることを覚えておいてください。

 最後に,皆さんが高Ⅱ生の時の文化祭のテーマはbeyondでした。「何かを超えて向こう側に」という意味です。
 今回の共通テストでの「何かを超えて向こうに」という,「何か」とは「過去62回の大学入試」と考えることができます。今回の受験を,先輩たちを超える大学入試にするのだという意気込みを持って頑張ってください。
 皆さんは大学入学共通テストという人生の扉を開くことになります。平常心と執念でもって新しい扉を開き,過去を超えた世界へと羽ばたいてくださることを願って激励の言葉とします。

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