例年、松山市内はもちろんのこと、県内、県外に出かけていって入試説明会を実施する。
ところが、昨年と今年はコロナ感染防止対策のため、県外だけでなく、県内の説明会も対面の形では実施できていない。
そこで、本校入学を考えている児童、生徒、そして保護者に、ズーム形式で、あらかじめ録画したものを見ていただく形をとっている。
約10分程度の録画をするのであるが、途中でチャイムが鳴ったり、大きな物音がしたり、さらには、話が途中で途切れたりと、何度も「いかん!」という言葉と共に録画を中断し、初めからやり直しをする。
対面でないと困るのは、聞いてくださっている保護者や児童、生徒の反応が全く分からないことである。
以前にも述べたことであるが、スピーチは聴衆の反応を見ながら話の内容や話すトーンを変えていく。話す側と聞く側のコラボで成立するのである。
聞いてくださっている方たちが、頷いたり、微笑んだりしてくれていると、つい、話す側も力が入る。少し楽しい話をしてみようかという余裕も生まれる。
説明会が終わった後、充実感が残るかどうかは、聞いてくださっている聴衆の態度で決まると言っても過言ではない。
また、対面では言い間違えても、すぐに訂正をして、さらに力を込めて話ができる。不思議なことに、言い直すことによって、話の内容が強調されることもある。
わたしは説明会で、保護者や児童、生徒の席の中に入っていって話をさせてもらうことがある。時に質問をし、答えていただくこともある。
最近、学校教育でアクティブ・ラーニング(主体的、対話的で深い学び)が叫ばれているが、説明会もアクティブ・スクール・イントロダクションを考えても良いのではないかと考えている。
一方的に話を聞いていただくのではなく、対話型(参加型)の学校説明会にチャレンジしてみたい。
コロナが収束して、また、対面型の説明会が開催できる日が一日も早くやってくることを楽しみに待ちたい。