過去のチュータのひとりごと

(2021/07/11)チュータのひとりごと 第665回(令和3年度愛光学園地区別懇談会)

 今年度のリモートによる「地区別懇談会」が終わった。
 わたしの担当は4か所で、最初の15分間をいただいてお話をした。抜粋の形で紹介したい。

 新型コロナ感染防止対策として、このようなリモートでの懇談会になりましたこと、大変残念に思っています。保護者の皆さんとお会いしてお話させていただくことを楽しみにしていましたが、申し訳ございません。

 さて、今年を「教育のICT元年」と位置付け、国を挙げての取組とすることは、すでに録画でご覧いただいた通りであります。
 小学校でICTの端末を使って学習した生徒たちが、来年度には本校に入学してきます。また、大学入試のCBT化、そして、デジタル教科書を小学校で無償配布する計画もあると聞いています。
 忘れてならないことは、ICT環境の整備は手段であり目的ではないということです。子供たちが変化を前向きに受け止め、豊かな創造性を備え、持続可能な社会の創り手として、社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成していくことが必要です。その際、子供たちが ICT を適切・安全に使いこなすことができるようネットリテラシーなどの情報活用能力を育成していくことも重要です。
 今回のGIGAスクール構想は、Society5.0の時代に生きる子どもたちを育てるわれわれが真剣に取り組まなければならない重要事案だと考えています。

 さて、担任の先生方に生徒との信頼関係を構築するべく、面談や声掛け(ボイスシャワー)等のきめ細かな指導をお願いしました。信頼関係を築く最高の方法は面談やボイスシャワーだと、わたしは考えています。その中で、「君は大切にされているんだよ。」というメッセージを生徒に送る。そこに生徒との信頼関係が構築されるのだと思います。
 教員の一言が生徒を励ましたり、ひいては生徒を救うことにもなるという事実は、数多く報告されています。
 わたくしの経験から一つ紹介します。
 中学1年生の担任をした際に、クラスの生徒の一人がサッカーボールで足をひねって骨折し、入院しました。そこで、たこ焼きをもってお見舞いに行ったことがあります。
 彼は論理的に物事を述べるところがあったので、「君は法学の道に進むといいね」とわたしが言ったそうです。(懇談会後に、ご本人にこの件を確かめたところ、お見舞いの時ではなく、中1の別の面談でそのように言われたと語ってくれました。)
 彼は本校卒業後、東京大学の文Ⅲに合格しました。そして、卒業時に、果たしてどの方向に進もうかと迷ったそうです。
 この時に、「そうだ、チュータ先生が中1の面談で、法学の道に進むといいと言ってくれた」ということを思い出し、その後、法科大学院へ進み、現在関西の難関大学の法学部教授として活躍しています。
 本校の生徒がこの大学を訪問した際に、彼が思い出話として生徒たちに語ってくれたそうです。
 このように、教員が何気なくかける言葉が生徒の人生に大きな影響を与えることがあるということはよく聞く話です。

 次に、大学入試について
 英語のリスニング力とスピーキング力、特にリスニング力を鍛える必要が出てまいりました。
 以前からNHKの基礎英語を始めとする学習は続けており,高校Ⅰ年生とⅡ年生にオンライン・スピーキングを導入しています。また、中学で5人のネイティブによって、英語指導を強化しています。
 
 寮生活
 今年の中1生との面談で、全員が食事をおいしいと答えています。
 肉がレンガだった。野菜が雑草だった。鮭がクレヨンの味がしたなどという話は、昔話になってしまいました。寮自治会と業者の努力の結果だと思います。

 中学寮生の学習のサポートについて
 コロナ感染予防対策のため、愛媛大学の学生にチュータ―をお願いできない状態ですが、早急に新しい試みを実施に移したいと考えています。 

 最後に、教育の三位一体は、「親と子と先生」です。
「教育とは卒業後の思い出なり」、愛光の丘で共々に「思い出作り」をしてまいりたいと述べて話を終わります。

 1学期の「チュータのひとりごと」は今回をもって終わります。 
 今回は旧校舎から発信する最終の「ひとりごと」です。
 次回は2学期の9月5日(日)に新校舎から発信を予定しています。

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