過去のチュータのひとりごと

(2021/10/17)チュータのひとりごと 第672回(蜘蛛の巣)

 新校舎に移り、新しい校長室の床面積がおよそ1.5倍になった。
 校長室は本部棟にあるため、生徒の教室のように部屋の両側が緑とはいかないが、南側の全面ガラス窓から中学中庭の緑の芝生と、隣接する中学棟の教室がよく見える。
 この眺めを見ながら仕事をしていたある日、全面ガラスの向こう側の蜘蛛の巣が目に入った。不思議に思ってよく見ると、植樹された8本のすべての木と木の間に蜘蛛の巣が張り巡らされている。
 蜘蛛の巣が張るということは、自然が豊かな証であるし、せっかく努力して張った巣を壊してしまうのは、可哀想に思ったが、あまりにも蜘蛛の巣だらけになっていたので、ここは蜘蛛に別の場所に移ってもらうことにした。
 蜘蛛の巣は下から5~7メートルの高い位置にあり、これを取り除くには5メートル以上のまっすぐな竿が必要である。
 そこで、園芸支柱を3本購入し、ほぼ6メートルの長さの竿を作った。支柱をつなぎ合わせるのに工夫が必要であった。ひもやガムテープで結ぶと、結び目がゆるみ、うまくいかないからである。
 ふとしたことから、コードを束ねるときに使う結束バンドがよいのではないかとひらめき、結んでみると、ゆるみがほぼなくなった。
 巣を除去しても蜘蛛はまた巣を作ると聞いているが、できればあきらめてくれるといいのにと実に勝手な思いを持ち、少々気の毒に思いながら、目につく蜘蛛の巣を除去している。

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