新校舎の本部棟に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、正面のラテン語、「CONTEMPLATA ALIIS TRADERE」である。
これは聖ドミニコ修道会のモットーのひとつとされている。本部棟に入って右側の壁に、このモットーの意味が記されたプレートがある。
— (祈りと勉学によって学んだことを、人々に伝える)
聖ドミニコ修道会のモットーのひとつであり、中世ヨーロッパの大学のモットーのひとつでもあります。 ―
わたしはこれを生徒や同窓生、保護者の皆様にどうお伝えすると分かりやすいかをずっと考えていた。
わたしたちは英語を学んでいるため、「CONTEMPLATA」は「contemplate―深く考える 熟考する」で説明できる。そして「TRADERE」は「trade―貿易する 取引する」で「伝える」という意味になることがすぐに理解できる。
ところが、真ん中の単語、「ALIIS」がうまく説明できないので、何か良い英語はないかと考えていたのである。本校のスタッフにこのことを伝えたところ、インターネットを使って、次のような検索結果を教えてくれた。
― aliisは「他の」を意味する代名詞的形容詞alius, alia, aliudの男性・複数・与格 ―
さらに加えて、alien という英語はこの単語に関係があるのではないかという提言をもらった。
この提言は英語で分かりやすく伝える最もよい方法になると考え、思わず、「見事!」と大きな声をあげてしまった。(祈りと勉学によって学んだことを、人々に伝える)の「人々」を「他の人々」とすればよいことに気づいたのである。
つまりは「ALIIS」は「他の人々」という意味となり、「alien」という英語で分かりやすく説明できるということである。
手元にある「新英和大辞典(研究社)」と「ジーニアス英和辞典(大修館)」の「alien」を調べると、語源として「ALIIS」と関係があり、「他の」という意味があることが分かった。
本校訪問の際には、本部棟の「CONTEMPLATA ALIIS TRADERE」をぜひご覧いただきたい。