大洲にある「臥龍山荘」を連休中に訪問した。
大洲には「国立大洲青少年交流の家」があり、本校の中1生が集団宿泊研修のために利用している。この研修の引率として何度も出かけたことがあるので、大洲には親近感がある。
大洲にはいくつかの景勝地があるが、肱川流域に臨む「臥龍山荘」を訪れたことはなかった。
一度、訪問してみたいと思っていたが、やっとこの連休中に実現した。もちろん、コロナの感染対策をした上で、密を避けたことは言うまでもない。
チケットの裏に書かれている臥龍山荘の説明文の掲載許可を得られたので、その一部を紹介したい。
―― 臥龍山荘は肱川流域随一の景勝地に臨む三千坪の山荘で、臥龍院・不老庵・知止庵の3建築は、それぞれ数寄をこらした逸品揃いです。春夏秋冬、四季折々に深い趣があり、茶の心、日本の心が今に生きつづけています。 ――
最初の部屋に入って上を見上げると神棚があり、大小のご神鏡が目に入った。この山荘を建築した人物はきっと信心深い人であったに違いない。
庭に出てまず目に飛び込んできたのは「苔」である。
管理人の方に『「苔」の管理は大変でしょうね。』と声をかけたところ、「苔」の管理について苦労話をしてくださった。
庭には敷石があって、そこを通って移動するように作られているが、敷石を踏まずに、「苔」を踏んでしまう観光客がいるとのことである。「観光客の方に注意するのは難しいんです」と語ってくれた。
わたしは庭に入った途端、若い頃訪問した苔寺(西芳寺)を思い出した。
桂離宮や竜安寺の石庭なども訪問したが、最も思い出に残っているのは西芳寺の苔である。あの見事な苔は数十年経過した今も目に焼きついている。
当時、桂離宮は前もって申し込んでおかないと訪問できなかったが、西芳寺はいつでも拝観が可能であった。
後日、西芳寺も苔を守るということで、許可制になったと聞いた。
臥龍山荘の拝観が自然破壊を理由に許可制にならないよう、訪問するわたしたちの注意も必要なことだと思った。