愛光学園第3代理事長のサトルニノ・ゴンザレス神父様が、6月5日(日)の未明にご逝去された。前日の4日に96歳の誕生日をお迎えになった翌日の突然の訃報であった。
6月6日(月)の朝、放送で全校生徒に、神父様のご逝去についてお知らせした。放送原稿を紹介したい。
――――皆さん、おはようございます。
サトルニノ・ゴンザレス神父様のご逝去についてのお知らせです。
昨日の未明に、本校の第3代理事長 サトルニノ・ゴンザレス神父様が帰天されました。96歳でした。謹んで哀悼の意を表したいと思います。
サトルニノ・ゴンザレス神父様は、愛光の創立当初より、多大のご尽力をくださいました。
1965年(昭和40年)に理事長に就任され、1981年(昭和56年)まで16年間にわたり本校の理事長をお勤めくださいました。
サトルニノ神父様は、今から50年前、1972年(昭和47年)に宮西の旧校舎から衣山の地に移転する際、理事長として、現在私たちがいるこの土地の選定と取得、旧校舎や聖トマス寮の建築を進めてくださいました。
この衣山の地でわれわれが学校生活を送ることができているのは、神父様のご尽力によるもので、愛光学園の恩人と呼べるでしょう。
サトルニノ・ゴンザレス神父様のご冥福をお祈りして、1分間の黙祷をささげたいと思います。
(1分間黙祷)
なおってください。
静かに座って、1時限目の用意に入ってください。――――
私が愛光学園に採用された当時、理事長はサトルニノ・ゴンザレス神父様であった。
現在の衣山の地にある愛光学園だけでなく、司祭館、聖トマス寮、そして、県内に点在する幼稚園やカトリック教会等の土地購入や建物の建築に奔走してくださったと聞いている。まさに、本校の大恩人である。
神父様との思い出を一つ紹介したい。
中学1年生のCLE2の授業は、司祭館に隣接している聖堂で行っている。
昨年のいつ頃だったかはっきりとは覚えていないのだが、CLE2の授業中、サトルニノ神父様が介助の方と一緒に車椅子で散歩をしている光景が、たまたま目に入った。
そこで、介助の方に声をかけ、聖堂の後ろのドアから車椅子のまま入っていただき、生徒たちと一緒に聖歌を歌ってもらった。神父様は生徒たちの歌声に合わせて聖歌を口ずさみながら、よほどうれしかったのか、途中涙を流していらした。
お若い頃は、英語や宗教の授業にも参加されたと聞く。おそらく、そのような時代の記憶がよみがえってきたのに違いない。
先日の葬儀の際に、柩を教会の外へ運ばせていただいた。これこそ最高の栄誉だと思った。
サトルニノ・ゴンザレス神父様の魂が永遠に生き続け、今後の愛光学園を見守ってくださることを祈りたい。