過去のチュータのひとりごと

(2023/06/25)チュータのひとりごと 第732回(第71回体育大会(2))

 5月11日のリハーサル時に、体育大会実行委員長挨拶の最後の部分に、
—— わたしはスポーツは楽しむことに尽きると思っています。昨年度の体育大会を中心となって運営してくださった高Ⅲ生の皆さんには特に今大会を一生の思い出にしてもらいたいと思いますし、ここにいる全員が、競技に全力で取り組み、全力で楽しみ、心に刻まれるような体育大会になればと思います。 ―― とあった。
 閉会式で、高Ⅲ生に立ってもらって、高校生活最後の体育大会の締めくくりをしようと考えていた。
 昼休みが終わって最初の演技は「高Ⅲアトラクション」と決まっている。このアトラクションにかける高Ⅲ生の熱意は相当なもので、短期間に全員がダンスの振り付けを覚えることは驚異である。
 全クラスのアトラクションの発表が終わって、高Ⅲ生全員が保護者にお礼を言う場面があった。このお礼の最後に代表の生徒が、「母の日」に触れ、感謝の言葉を気合を入れて発した。この言葉に感動したので、閉会式で高Ⅲ生だけでなく、全員のパフォーマンスにできればと思ったのである。
 筋書きのないドラマであり、どのように展開するのか全く分からなかったが、少なくともお母様方は喜んでくださると思った。高Ⅲ生に起立してもらい、あの言葉をもう一度、前に出て発してもらいたいと述べると、期待に応えて前に出てきてくれた。彼が全体を盛り上げるために素晴らしいパフォーマンスをしたことは参加者の誰もが思ったことであろう。
 次にどこで用意されていたのかは分からないが、ポットのカーネーションが用意されていて、彼の手から体育科主任の手に渡された。これにはさすがに皆驚きを隠せなかったようである。わたしもこのようなことが目の前で起こることは全く想像していなかった。
 おそらく、体育大会が終わった後に手渡すことになっていたのだと想像するが、生徒たちの感謝の気持ちが皆さんに紹介されてよかった。
 わたしが大会長を務めた体育大会の中で、心に残る最高のパフォーマンスであり、生徒にお礼を言いたい。

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