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(2023/10/01)チュータのひとりごと 第739回(感性論哲学の教育論)

 本校の教職員に話した感性論哲学者、芳村思風氏の「感性論哲学の教育論」の一部を紹介したい。
 —— 自我に目覚め、「俺はこういう人間になりたい」と子供が思った時、そういう人間になれるよう自分を創っていく努力ができるように育ててやることが肝要です。しかし、現在の教育は、家庭でも学校でもそうなっていません。教え込むことに集中している。勉強の仕方を教えるということにもっと意を用いるべきです。そうでないと、保守的で創造力のない子供が育ってしまいます。
 自我に目覚めてからの教育は、親の意見を押し付けることは絶対にいけません。
 十三、四歳でだいたい自我に目覚めます。そのころになったら、こうしろというのではなく、お父さんならこう思う、お母さんならこうする、それを参考にしてお前の心を決めなさい、という感じで接しなければなりません。参考意見をいってやるというところで止めておかないと、反抗心がすごく湧いてくるものです。こうしなさいといわれると、なんとなくそうしたくなくなるというのがこの年ごろの特徴なのです。
 それは、それだけ自主性が出てきているということであり、むしろ喜ぶべきことなのです。――
と述べている。
 わたしは15歳までの教育には親が大いに意見を述べるべきだと思っているが、15歳を超えたら、そこから先はそれぞれ生徒個人の考え方が優先されるべきだと考えている。
 「親と子と先生」の三位一体の教育において、それぞれの立場で何ができるかをよく考えて生徒の指導に当たることが大切だと考えている。

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