今年の体育大会は雨のため、二日間延期をして実施した。
愛光72年の歴史の中で二日間延期したのは初めてのことであったように思う。
校長就任後2回連続で雨天決行したことをよく覚えている。この2回とも、開会式が始まるまで曇っており、開会の挨拶で朝礼台に立ったと同時に雨がぱらついてきたように記憶している。
始まってしまうと、雷が鳴るなどの場合を除いて、途中でやめるという選択はなかった。当時は人工芝ではなかったので、グラウンドにいくつもの大きな水たまりができ、生徒たちがグループになってその水たまりめがけてダイブした。もちろん体操着は泥だらけになった。
体育大会が終わった後、生徒たちから「雨の中をよく続けてくださいました。ありがとうございます。」とお礼の言葉があった。
この出来事があってから、保護者の間に本校の体育大会は雨天実施であるといううわさが流れた。
当時は天気予報が現在のように正確なものではなく、実施時点で雨が降っていなかったら実施すると決めていた。
今回の体育大会を二日間延期したのは、あの天候の中では生徒の練習成果を十分に発揮できないと考えたことが最も大きな理由であった。
また、いくら人工芝のグラウンドと言っても実施には限界があったことも一つの理由であった。保護者の皆様には申し訳ないと思いながらも、諸事情を考慮して延期を決定した。
開会の挨拶を紹介したい。実際の挨拶とは一部変わっていることをご了解いただきたい。
皆さん、おはようございます。
第72回体育大会のテーマは 「限界の一歩先へ」です。
皆さんが中1生の時のCLE2の時間に、また、高ⅠE組のHRで、 「自分を超えたある何物かに挑戦することが大切であること、そして、その時に自分に与えられた才能、つまり、天賦の才能が花開くのだ」と申し上げました。
体育大会実行委員長を中心にして、自分を超えたあるものかに挑戦する真剣なプレイを期待しています。
保護者の皆様、また、ご家族の皆様、本日は朝早くからお越しいただきありがとうございます。今日1日、生徒の限界の一歩先へと向かうプレイに思う存分の拍手をお送りいただきたいとお願いいたします。
生徒の皆さん、皆さんの競争相手は、無限大の天、そして確乎不動の大地であります。頑張りましょう!
閉会式で各学年、そして各グループ(A~E)で競技得点の最も高いクラスとグループ表彰をおこなった。
その際に、今回は表彰状を代表生徒に手渡した後、握手を求めた。
高校の各学年のクラス表彰を終え、グループの第1位を表彰する際に、高Ⅲ生の代表生徒に賞状をわたして握手をしようとしたところ、代表生徒がわたしの肩に手をまわしハグをした。わたしも「おめでとう」という言葉と共にそれに応えた。グラウンドでは笑いが起こっていたようである。
長い教師生活の中で、このような場で、このような経験をしたことがない。
「教育とは卒業後の思い出なり」、これは生徒にも教員にも言える言葉であるということを実感した。