教職員の研修会で在宅医療に力を注いでいる本校卒業生の医師の講演を拝聴した。
同窓生の医師が語った二つの言葉を紹介したい。
① 「先生が来ると安心できる」
もちろん、この先生とは医師のことである。
患者が医師の顔を見ると安心できるのは、自分の経験からもよく理解できる。子どもの頃、医師に会って顔を見た途端、病気が治ったような気がしたことが記憶にある。
なぜ、そのような気持ちになるのか。それは医師に対する信頼から生まれるものであろう。
わたしたち教師の授業も「先生が来ると安心できる」と生徒から思われるようなものでなくてはならない。
「先生の授業を受けていると頭の中にスーッと入ってくる」と生徒から言われるような安心感を覚える授業が展開できたら最高である。
そのような授業を展開するには、教員一人ひとりの工夫がなければならない。
わたしは先生方に「生徒から、〇〇先生の英語、〇〇先生の数学」と言われるように頑張ってほしいと激励することがある。カリキュラムは同じであっても、どのように教えると生徒が理解しやすいかが工夫された授業であれば、必然的に生徒が安心して楽しいと思える授業になるはずである。
② 「信頼関係は一度で築ける」
医師が述べた二番目の言葉は、上記の信頼について述べられた言葉である。
わたしはこの言葉を聞いたときに、自分がおこなっている寮生との面談のことを思い浮かべた。
中1寮生との面談を現在おこなっており、わずか10分~15分ほどの面談ではあっても、信頼関係を結ぶことができていると思っているが、実際にどのように感じているかは生徒に聞くよりほかにない。
中1寮生との面談は1年に一度のみの面談のため、授業と同じく真剣勝負で臨む。面談する中1生がどのような考えを持っているのかは、面談を終えるとおおよその見当がつく。
今回、「信頼関係は1度で築ける」という言葉を聞いたとき、自分の面談の後押しをしてくれる言葉に聞こえた。
中1寮生の面談が終わると、続いて高Ⅱ、中3寮生の面談をおこなう。
その際に、「信頼関係は一度で築ける」、この言葉通りとなるような面談をできる限り心がけていきたいと考えている。