過去のチュータのひとりごと

(2024/06/30)チュータのひとりごと 第767回(地区別懇談会)

 6月1日(土)から始まった2024年度地区別懇談会、昨日までに13か所で実施したことになる。さらに、7月に入ってからは、5か所で実施する予定になっている。
 地区別懇談会では全体会が40分であることが多い。わたしの担当は15分から20分で、後半の20分は業務担当や学年部長が担当する。
 わたしの20分は、「建学の精神」を冒頭に述べることにしている。
 校長の主な役割の一つは、建学の精神(何のために学校を設立し、どのような生徒を育てたいか)を生徒、保護者、教職員、同窓生に伝えることであるといつも述べている。
 本校の建学の精神は、田中忠夫初代校長が起草した「われらの信条」に明確に示されている。地区別懇談会、入試説明会、そして同窓会の冒頭には、必ず、この「われらの信条」を暗唱して発表することにしている。
 そして次に、「世界的教養人」「愛と光の使徒」という抽象的な言葉の説明をする。
 その後、本校は「全人教育」をベースにして、愛(「徳性」)と光(「知性」)の二本柱を立てて進む学校であると説明している。
 「全人教育」とは、誰もが自分の中に持つ、「真・善・美・聖・健・富」という6つの価値を調和的に伸ばすことを目指す教育である。この教育論は大正10年8月8日に恩師、小原國芳先生によって提唱された教育論で、今や多くの教育関係者に知られている教育論である。「知育・徳育・体育」とも言われているが、わたしはこの三つに美育を加えることが必要ではないかと述べている。
 懇談会を終え、懇親会の途中でスピーチを依頼されることがある。このスピーチのために、いくつかの話を用意している。
 「男子校時代の寮生と下宿生の生活」、「ボイスシャワー(声かけ)が生徒の人生を変える」、「東京大学にパスさせたたった一人の生徒」、「西の御三家」など、教員ならではの体験談がいくつかある。
 もちろん、中1のCLEや高ⅠEの朝のHRでも、これらの話に触れることにしている。
 これらの話に触れる際には、不思議なことに、いつも「感動、喜び、イキイキワクワク」の気持ちになる。実際にその場にいて、生徒と接しているような錯覚に陥るほど鮮明な思い出となっている。
 「教育とは卒業後の思い出なり」とよく述べているが、これは生徒にも教員にも言える言葉であることを実感している。

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