過去のチュータのひとりごと

(2025/03/09)チュータのひとりごと 第791回(令和6年度卒業式式辞)

 67期生の卒業式で述べた式辞の一部を紹介します。

 前略

 親愛なる67期生の皆さん、皆さんは六年間あるいは三年間の蛍雪の功を積んで今日只今、本学園を巣立とうとしています。まことにおめでとうございます。

 中略

 67期生は、一昨年の5月初旬まで、コロナ禍の中で過ごしてきました。
 特に新型コロナウイルス感染回避のため、中3の関東への研修旅行を中止し、日帰りの遠足を実施したこと等、様々な我慢をしてもらったことを申し訳なく思っています。
 ただ、中3の2学期から新校舎で学習できたこと、また、高Ⅰの2学期以降に新体育館、カフェテリア、文化会館が竣工したこと、さらには「創立70周年記念式典」に参加できたこと、そして昨年度から体育大会を完全実施できたことは、高校生活の素晴らしい思い出として残ることと思います。
 本日は新しい人生の門出を祝う記念の日でありますので、日頃感じていることを述べ、皆さんを送る激励の言葉にしたいと思います。
 わたしは学校説明会や入試説明会等で、愛光学園を紹介するときに、「全人教育をベースにして、知性と徳性の2本柱を立てて進む学校である」と述べています。
 全人教育は人間の文化の6つの方面、「学問、道徳、芸術、宗教、身体、生活」の理想である、「真・善・美・聖・健・富」という誰もが持つ6つの価値を調和的に伸ばすことを目指す教育であります。「本校で学習するすべての科目を大切にしてください」と述べるのはこの全人教育を大切だと考えるからです。
 次に知性と徳性の2本柱をどのようにして磨いていくかということについて触れてみましょう。
 知性の習得は、人生で1枚1枚着物を重ねていくようにして身に付けるものであると思います。またその積み重ねが途切れなく続いていくものでなければなりません。「継続とは力なり」、「続いてこそ道」という言葉がそこに当てはまるでしょうか。
 それでは徳性はどうでしょう。
 徳性もご家庭の教育やCLE等の授業を通して身に付けていくものですが、同時に一枚一枚はがしておかねばならないものがあります。それは、それぞれの個人が世の中で知らず知らずのうちに積み重ねてきた怒り、怨み、強欲、傲慢等の自己中心的な心の使い方です。
特に傲慢には気をつけなければなりません。傲慢な態度は、自らをそして組織を滅ぼすことにつながるからです。歴史を振り返ればそのことに気づくはずです。
 これらの自分中心の心の使い方を一つひとつ取り去り、人間本来の善なる姿に戻すことが徳性を身に付けることにつながると思うのです。
人には必ず優れた心の使い方があるのと同様に、好ましくない心の使い方というものもあります。この好ましくない心使いを一つひとつ取り除いていくことが徳性を身に付ける基盤になるのです。そして、人間が本来持つ謙虚さと感謝の気持ち、さらには他の誰かのために生きたいという気持ちになった時に初めて徳性が身に付くことになるのではないでしょうか。
 それでは、好ましくない心の使い方を正していくには、どのような生き方をすれば良いのでしょうか。わたしは、「感動、喜び、いきいきわくわく」で人生をおくることが最も近道であると信じています。なぜなら、「感動、喜び、いきいきわくわく」が好ましくない心の使い方と縁を切ってくれるからです。
 「世界的教養人」、そして「愛と光の使徒」とは、このようにして知性と徳性が磨かれた人間のことを言うのではないかと述べて皆さんへの餞の言葉とします。

 最後の挨拶省略

 令和6年度の「チュータのひとりごと」は今回が最終です。令和7年度は4月13日(日)から開始する予定です。

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